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コスト抑えて競争力を 地道な努力で差は歴然
2011年10月17日
トラック運送事業は、その仕事内容からコストは計算しやすい。また、同業者と比べ、かかるコストに大差はなく、コスト削減によるメリットは小さいとされている。しかし実際は、事業者の取り組み方でコストは違ってくる。日々の努力と先を見据えた経営で、その差は歴然となる。その結果、同業他社より価格競争でも優位に立って、競争に勝てる力を保持できる。競争が激化する中、燃料調達や保険、そして金融機関の融資など、他社と差が付くコストパフォーマンスが会社の今後の動向を左右するとはいえ、自社に何が必要か、じっくりと見極める必要があろう。
燃料を調達する際、燃料販売会社と契約を結ぶのが通常だが、調達方法は燃料カードやインタンク、また、自社で契約するのか協同組合を通して契約するのかなど、方法はまちまちだ。燃料カードで購入するより当然、インタンクのほうが安く調達できる。また、燃料カードで購入する場合でも、信用によってコストは違ってくる。燃料をカードで購入しようと販売会社に掛け合うが、その事業者に信用がなければ、販売会社は直取引にはせず、信販会社を間に入れる。同じカード購入でも、直取引と信販会社を入れての取引では調達費用は明らかに違ってくる。販売価格が同じでも、信販会社の手数料分だけ、後者がコスト増になる。
一方、保険についても、無事故が何年も続けば割引が多くなる。等級によって保険料は違ってくるが、事故を起こし保険を使う事業者と、無事故で保険を使わない事業者では、コストで大きな差が生じる。
さらに、金融機関との取引の中でも違いは出てくる。例えば、好ましい業績を上げるなど、メーンバンクとしっかり信頼関係を構築できている事業者と、赤字を計上するなど芳しくない経営を強いられている事業者では、融資枠の違いもあるだろうが、金利が大きく違ってくる。
低金利の融資を受け、低価格で燃料を調達し、無事故を維持し、保険料の最大割引を受ける。いずれも地道な努力と忍耐強さが不可欠で、一朝一夕にはいかない。しかし、長年の地道な取り組みがやがて、大きな武器になるのだ。(高田直樹)
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