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トピックス
ドライバーが一斉に退社 トラック稼働できず
2011年10月18日
運送事業者はドライバーの存在があって初めて、トラックが稼働して事業も成り立つ。このことを知ってか、一部の運送会社では大型トラック、トレーラなどのドライバーらが集団で突然退社。人手不足に苦しむ中で人材が見つからず、仕方なくトラックやトレーラを車庫に眠らせる運送会社があるという。
5台を停止した運送会社では、「一人のドライバーが運行内容と歩合に対してクレームをつけてきたので、会社側がこのドライバーの収入を増やすために、地場輸送から長距離(月4、5回程度)に変更したものの、今度は『勤務時間が長い』とのことで結局、地場のみの輸送に戻した。その後、収入が少ないなどとクレームをつけて、同様の考えのドライバーに声を掛けて、一斉に5人が退社し、他社に再就職した」という。同社は現在、人材募集を行っているものの、二人しか採用できておらず、現状ではまだ3台程度を車庫で遊ばせている状態だ。社長は「全てのドライバーの意見を聞いてきたが、収入を増やすには厳しい仕事もこなしてもらわないと、われわれ経営者もどうすることもできない。現状ではトレーラで、地場輸送の売り上げは月100万円に満たない。これで燃料費や人件費、福利厚生費、車両の償却維持費などを考えれば管理費もままならないのだ。そんななかで『収入が少ない』『厳しい仕事は出来ない』などと言って大量に辞められたらたまったものではない」と苦しい胸の内を語る。
また、同様にトレーラ輸送を中心に行う運送会社でも現在、新車5台が車庫に眠っている。社長に理由を聞くと、「ドライバーと会社内部の間で仕事を巡ってトラブルが発生し、ここ数か月でドライバーが立て続けに退社。あらゆるところに人材募集を行っているものの、退社したドライバーの一部が当社の勤務内容を痛烈に批判し、それが広まって人材が集まりにくい状態に陥っているのでは」と打ち明ける。社長は「決算期や年末に向けて物量が動き出し、多くの運送会社で車両不足に陥っていることから傭車もままならない。このままでは経営に大きく支障をきたす」と真剣な表情で話す。(佐藤弘行)
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