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新トラック運送経営のヒント(61)痛みを伴う覚悟はあるか
2013年4月5日
4月から規制が厳しくなる労働時間の違反。いま、 ドライバーの拘束時間や連続運転時間の改善に着手する運送会社が増えてきています。その中で、必ず起きる問題があります。運送会社を辞めるドライバーが発生する、という問題です。理由は、労働時間の短縮によって給料が下がるからです。
これは、その運送会社の今までの社風がどうであったかを考えれば原因は分かります。「ウチの会社に入れば、頑張っただけ給料がもらえるぞ」。このように面接時に説明していた運送会社が過去には多かった気がします。当然、ドライバーは運送会社に対して「給料の高さ」を第一の目的として入社してきます。ところが、最近の労働法令違反による厳罰化の影響で、さすがに労働時間を無視した経営ができない状況になってきています。イケイケドンドンだった社長も、営業停止や事業許可取り消しには勝てません。渋々ですが、ドライバーに対して労働時間を短縮することをお願いせざるを得ない状況です。その際に発生するのが、ドライバーの給料の減少です。ドライバーの給料は原則、どれだけ長く働いたかに比例します。労働法令を守ると、間違いなく今の給料より少なくなってしまいます。すると何人かのドライバーは辞めていきます。よくあるのが、一人の協力的でないドライバーが他のドライバーに悪影響を与えるケースです。まさにインフルエンザウイルスのように、免疫力のない他のドライバーに感染していくイメージです。このリスクをある程度、受け入れる覚悟を持てるか? 社風を変えていくためには、ある程度の大変な状況になることを覚悟しなければなりません。
お金をガンガン稼ぎたいドライバーと、お金はソコソコでいいドライバー。どちらが良いかは、その時代の価値観などがあるので一概に判断できません。ただ、これからの時代は間違いなく、労働法令を守ってソコソコの給料で、いいドライバーを増やしていくしかありません。
まさに皮を剥ぎ、改める「改革」です。痛みを伴うのはある程度、仕方ありません。もちろん労働法令を守ることの重要性や、そのために給料が減ることについて、経営者自らがドライバーに協力を訴えていくことが必要です。会社の節目節目に起きる人材の入れ替わり。変化の激しい時代を生き抜くためには避けて通れないことかもしれませんね。
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