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    デジタコ導入で明暗分かれる 導入しただけでは効果出ない

    2013年7月3日

     
     
     

    digi_0701.jpg デジタコやドラレコなど運行管理システムをいち早く導入した事業者からは、「燃費が向上した」「事故が減って保険料も下がった」など、コスト削減に成功したという声を聞く。しかし、その一方で、「入れても何も変わらなかった」「社内がぎすぎすしてしまった」と、導入効果を疑問視する声も少なからずある。導入事業者の取材を進めていくと、コスト削減に成功した事業者と、そうでない事業者の違いが見えてきた。



     約100台のトラック全てに運行管理システムを導入しているA社(埼玉県新座市)の社長は「管理が大事」と話し、運行管理者を指導責任者に据え、走行データの管理とドライバーへの指導を徹底して行えるようになってから、燃費の向上が顕著になったという。

     B社(同三郷市)は3年前、デジタコにGPSを搭載した運行管理システムを18台に導入。補助金を使うと、導入費用は120万円程度だったが、4トン車で1リットル当たり5?5.5キロだった燃費が6キロ以上になり、およそ3割のコスト削減に成功。同社社長は、「導入しただけでは効果は出ない。送られてくる日報は毎日欠かさずチェックしている」という。急加速や急ブレーキ、走行速度から算出される点数に基づき、成績上位者には毎月報奨金を出し、成績の振るわない者には「日々指導を行う」という。当初は「乗り気な者などいなかった」が、「自分もハンドルを握っていたから、ドライバーの気持ちがわかる。ごまかしは効かないと思って取り組んだのではないか」と振り返る。?気持ち?に理解は示しつつ、ダメなものはダメという毅然とした態度で行った指導が功を奏している。

     C社(さいたま市中央区)では、4年ほど前に運行管理システムを導入。GPS機能に加えドアの開け閉めも記録される機器で、運行の効率化を図っている。37台に導入した費用は補助金が下りたため約200万円だったが、「半年くらいでペイできた」と同社社長。制限速度を超えると「ブザーが鳴るのでドライバーが気をつけるようになる」のが一番の理由とのことだが、「納品が遅れても速度を守ることを優先させた」という。「責任は会社が取る」と明言し「言い訳できない」環境づくりにつなげた。

     D社(埼玉県北葛飾郡)は、10年以上前に約2000万円をかけ200台のトラックに運行管理システムを導入。「コスト削減を実感しているのはここ2?3年のこと」という同社常務に話を聞くと、「ブザーが鳴っても、すぐに慣れちゃう。入れただけでは効果はない」と指摘。導入当時、まだ珍しかったデジタコは「操作が面倒」「ブザー音がうるさい」「何でうちだけ」とドライバーから大不評。管理にも手が回らない状態が続いた。

     活用のきっかけは、「納品先の事故でスピードの出し過ぎを注意された」ことだった。「本腰を入れなきゃ」と上層部の意識が変わり、「付いていただけ」だったデジタコから「できない理由を取り除いていくこと」を徹底したという。例えば、「スピード違反のドライバーに速度を守れない理由を聞くと、『間に合わない』と言うので、その責任は会社が取るから速度を守れと指導」と速度厳守を貫いた。「業界全体にデジタコが普及し、導入当初と違って受け入れられやすい環境になってきた」ことも、取り組みの後押しになった。指導を始めてから「燃費は10%くらい向上。事故は半分以下になった」という。

     各社の取り組みを見ると、データを管理し適切な指導を行うことでコスト削減につながることがわかる。会社、ひいては社長が覚悟を決め、強い意志を持って取り組むことにあるようだ。

     
     
     
     
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