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    今と昔 異なる若者の価値観

    2013年10月25日

     
     
     

     若年労働者が減少し、若い人材が入ってきても活躍する場が少なくなっているのが今の運送業界だ。現行の普通免許では4トン車に乗務することができず、また、2?車でも総重量5?以上になると乗ることができない。関西のある運送事業者に地元高校からの紹介で、今年4月に新卒で18歳の運転者が入社した。普通免許を取得しており、トラックの運転を楽しみにしていたが、やはり免許の制限が影響したのか3か月で辞めてしまったという。しかし、免許の問題以前に「ゆとり世代」と呼ばれる今の若者を使うことに戸惑いを感じているところは少なくない。



     18歳の運転者は、住宅へのシステムキッチンや風呂など設備資材の2マン配送の助手からスタートすることになった。親子ほど年の離れたベテラン運転者との仕事。ずっと横乗りの状態が続き、ハンドルを握りたくて入社した本人としては、やりがいを感じられないせいか会社を辞めていった。久しぶりの若手に期待し、成長を楽しみにしていた運送事業者社長。「このままでは若い人材が運送業界に来るわけがない。せめて普通免許で積載2トンまでのトラックに運転できるようにすべきだ」と訴える。

     一方、別の関西の事業者は、「トラックに乗れても今の若い者は戦力にならない」と嘆いている。同社には20歳で中型免許を取得し、4?車を乗るようになった運転者が数人いるが、「皆、昔の同じ年代と比べて覇気が感じられない。昔は自分で仕事を探して動き、仕事がなかったら車を洗ったりしていたが、今の若い者は言われたことしかせず、『次、何しましょう』といった自主性が見られない。仕事を覚えようとする自覚がなく、早く家に帰りたい、という考えが支配的。これではこの先の運送業界も明るくない」と強調していた。

     同じような声は聞かれる。「今の若い子は使いにくい」と話す大阪府の60歳代の運送会社社長。先月、20歳代の若手運転者が乗っているトラックが汚れていたことから、週末の土曜日に洗車するように指示したが、土曜日はあいにくの雨。しかし、雨にも関わらず、その運転者が洗車をしていたことから社長は激怒。「雨が降っていたら、なぜ月曜日に洗車しようとしないんだ」と怒鳴ったが、運転者は「言われたことをして何が悪いんだ」と言わんばかりの態度だったという。

     そのことを会社に手伝いに来ている社長の娘に話すと、娘からは「今の若い子に臨機応変はなく、融通が効かない。『あれこれしなさい』と言われればそれを守るが、それ以上のことは期待したらダメ」と逆に昔と今の若い世代の違いについて説教されたという。

     運送業界に詳しい経営コンサルタントは「ゆとり教育世代は昔の経営者の考え方、価値観とは異なっているということを前提に使っていくべき。免許の問題をクリアしてもせっかくの人材を失いかねず、会社の接し方も事業運営を左右しかねない」と話している。

     
     
     
     
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