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燃料高騰分の転嫁は「省エネ」環境対応車、エコタイヤ補助
2013年12月13日
国の燃料高騰に対する方針が明確になった。5.5兆円規模の補正予算が組み込まれた政府の「新たな経済対策」で、トラックの燃料高騰対策が盛り込まれたが、トラック業界が求めている補助金の創設は、今回見送られる形となった。国交省では、軽油価格が高止まりの状況下で、燃料高騰分を一時的に補助するのではなく、「トラック輸送の省エネ対策の推進」として環境対応車・エコタイヤ導入費用に対する助成を行うことで、燃料高騰分の吸収を図っていく。
平成20年度の第一次補正予算は総額1兆8000億円で、補助金額は35億円。第二次補正予算は4.8兆円で、150億円の補助が行われた。補助事業として行われた「中小トラック事業者構造改善実証実験事業」では、1社100万円を上限に燃料の半額が補助され、事業者の燃料費圧迫の窮地を救った。ただ、当時は「一時的に高騰し、すぐに価格が下がった」状態だったため、補助金という形で支援が行われたが、今回の場合、価格は高止まりのまま推移しているため、国交省は「1社100万円出したところで、1か月の運行経費にもならない。これでは根本的な問題解決にはつながらない」としている。その結果、環境対応への補助を手厚くすることで、長期的な改善を視野にトラック輸送の省エネ対策を推進していくことが決まった。
今回の補正予算では、環境対応車だけでなくエコタイヤも助成の対象となる。車の燃費の20%は転がり抵抗によるもので、エコタイヤはこれを小さくして滑りやすくする。国交省によると、高速道路走行時には5、6%程度の省エネになるとの報告があるという。このため、エコタイヤを導入し、燃費向上を図ることで、燃料高騰分の転嫁を図っていくということだが、「普通のタイヤに比べ1割高と、経営環境の厳しい中で導入を渋る事業者もいる」ため、「省エネ努力をしている事業者に対して今回、燃料高騰分相当の補助を考えている」(自動車局貨物課)。
平成25年度補正予算は、20年度第一次補正と同程度の35億円規模を見込むが、積み増しの方向で調整している。しかし、トラック事業として使える額に限度があるため、自動車局の加賀至課長は「6万3000社全てに手厚くするというより、一定車両以下の小規模事業者に焦点を置き、効果的な補助を実施する」としている。
また、同24年度の補正予算において、エコタイヤをはいて省エネ運行を続けることで、省エネ・経営改善に一定の効果があったことから、大型車から助成対象範囲を拡大していくという。
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