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環境省は見解出さず 「PM2.5発生源はディーゼル車」説
2014年3月27日
発生源が特定されないことから、漠然とした不安と捉えられていたPM2.5(微小粒子状物質)の発生源を解明する作業が環境省で始まった。使用過程のディーゼル車が大都市圏で登録できなくなった「自動車NOx・PM法」の規制前のようなディーゼル車包囲網が出来上がる前の段階で、ディーゼルユーザーが、ここ10年以上に渡って払ってきた努力を示しておく必要があるのではないか。
NHKで5日の夕刻から流された全国放送のニュース番組。このなかに「国立環境研究所」の元研究者が出演し、「PM2.5の国内発生源のほとんどはディーゼル車排ガス」といった発言を繰り返した。元研究者は、自動車NOx・PM法制定当時、環境省の「ディーゼル排気微粒子リスク評価検討委員会」の委員も務めた経歴がある。環境省自動車環境対策課によると、国内のPM2.5の発生源についての見解は環境省としてまだ出していない。例えば、道路沿道に設置される排ガス測定局(自排局)とその他の一般測定局でそれぞれ、PM2.5がどの程度測定されたかなどのデータの収集はしているが、自動車排ガスによるPM2.5全体に対する寄与分といった見解はまだ出していない。
ちなみに12年度、自排局と一般局との年平均濃度は1立方?当たり0.8マイクロ?の差がある(表参照)が、自動車排ガス、ことにディーゼル車による寄与分がどの程度かといったデータはまだ持ち合わせていないという。環境省は12日、「微小粒子状物質等専門委員会」の初会合を開催した。この委員会は、国内のどういった発生源から、どの程度のPM2.5が発生しているかといった分析を行う。また、昨年12月にはPM2.5の測定地点を増やすなど、観測体制の強化や発生源の特定を目標とした政策集を発表している。14年度中にも発生源抑制対策などの中間とりまとめを行う方針だ。
研究者レベルで言及されだしたPM2.5の「ディーゼル車原因説」。トラック運送業界からは自動車NOx・PM法を思い起こさせるとして危惧する声が聞かれる。国交省によると、最新規制適合車両の排出基準は、0.3マイクロ?の粒径の排気微粒子を99%以上捉えられるフィルターでろ過し、1kw・時当たり0.01?の粒子状物質までが基準内だ。
つまり、粒径が2.5マイクロ?までの大きさの微粒子を指す「PM2.5」の重量のほとんどは、最新規制適合車両ならば排出されていないことになる。もっとも、この排出基準は、PM2.5の環境基準が作られたのと同じ、09年に作られており、それ以前の車両に関してはこの限りではない。
あるトラック運送事業者は、「ディーゼル車からPM2.5が排出されているなら、何らかの対策も必要。しかし、われわれがトラックを購入した当時はPM2.5の規制はなかった。遡及的に使用過程車まで一方的に規制されるのには納得がいかない面もある」と話している。
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