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    倉敷市の運送2社の争い A社勝訴への一部始終「発端は破損」

    2014年10月23日

     
     
     

    hanketsu_1020.jpg 元請けから下請け、孫請け…そこへ水屋も加わっての多層化構造がトラック運送の低運賃を招く元凶との指摘があるが、そうした受委託の連続によって責任の所在があいまいになっては大変だ。岡山県倉敷市に本社を構える二つの運送会社が法廷で争う格好になった「請負代金請求事件」が先に結審したが、一般的にいえば判決内容に驚く要素は少ない。燃料高騰の影響や、近年ではドライバー不足もあって水屋のように荷扱いのウエートを増やす実運送会社も多い。倉敷市でのケースは、早い話が「運賃は取って(ピン跳ねして)も、責任は取らない」という中間事業者の行為の是非を問う形となった。



     事件は平成25年4月17日に倉敷市の実運送A社が、直取引する商社からフレコンに入った土木用の砂(改良材)の運送を、新潟県から大阪市此花区まで受託した時点に始まる。これを傭車で対応するため、それまでも協力関係にあった同市の実運送N社に再委託したが、さらにN社は全国大手の水屋に再委託。結局、水屋が手配した鹿児島県の実運送会社のトラックが翌18日に新潟へ積み込みに入り、19日に大阪で荷下ろし中に荷受け先の倉庫のシャッターを破損させた。

     商社から連絡を受けたA社がN社に確認したところ、「『(鹿児島の会社が)払うといっている』というので、うちが修理代52万5000円を立て替えの格好で支払った」(A社社長)。また、破損トラブルがあった当日分も含め、A社はN社に4月分の運賃117万6000円も支払っていたが、1か月以上たっても弁済の様子が見られないことから、7月末の運賃支払い(5月分)を停止。これを不当として同年10月4日、N社が倉敷簡易裁判所に提訴。一方、A社も反訴に踏み切り、争いの舞台は岡山地裁倉敷支部に移った。

     結論からいえば、完全勝訴したのは元請けとなるA社。細かな経緯や金額は別として、争点は「運送委託契約」の成否だった。

     本訴と反訴によって、両社とも原告と被告の双方の立場を持つが、最初に提訴したN社の主張を要約すると?A社から仕事の話があったが人手が足りず、A社の求めに応じて大手の水屋を紹介した。だからA社は水屋に運送を頼んでいることになり、当社との間に運送委託契約は成立していない?というもの。水屋に対するN社の行為は運送業務の再委託ではなく「紹介」であり、A社がN社に支払った運賃から抜いた一部(5250円)は、それに要した電話代や人件費としている。

     「もともと自車便で対応してもらうのがルール。それまでの発注分(5回程度)はすべてN社のトラックだったし、自車での対応が無理なら(N社には)頼まなかった」とA社社長。今年7月29日に言い渡された判決(8月14日に確定)ではN社の請求(本訴)を棄却したうえ、反訴でA社が主張したシャッターの修理代と運賃(42万8400円)を相殺することに加えて残額および、反訴状送達日の翌日(同25年11月14日)から年6分の割合による遅延損害金を支払うようにN社に命じた。

     争点となった「運送委託契約」の成否について同地裁支部は、N社と水屋の間で運賃額の合意があった一方、元請けであるA社と水屋との間には運賃交渉がなかったなどと指摘。「(A社とN社間の)運送委託契約は成立しており、A社は同業務を水屋に再委託。さらに水屋が鹿児島の運送会社に委託したものと認められる」との判断を示した。また、「紹介料」というN社の主張については、それ以前のA社と水屋との取引実績を参考に「面識がなかったとはいえず、対価として紹介料を支払うことは合理的ではない」とした。

     一方、今回の裁判でN社は周辺の同業7社から申述書を集めて提出した。「仕事の依頼を断った場合、依頼主が望めば他業者に声かけすることがある。その際、電話代・人件費の手数料として数千円を運賃からもらい、それ以外は自らが紹介した運送会社に送金するのが慣習。その数千円は運送委託契約の報酬ではなく、あくまで手間賃。それだけで実際に運送した会社の過失まですべて引き受けるのなら、責任において均衡を失するといえ、助け合いもできなくなる。通常、問題が発生した場合は当事者間で解決する」といったN社の主張に同調したもの。

     これにもA社の社長はあきれ顔。「弁護士によれば法的に何の効力もないという。しかも、なぜ7社なのか。まったく理解できない」。2、3年間の取引関係にあり、「多いときで月間に200万円くらいの運賃の支払いがあった」というN社との関係。「水屋との取引が大きく、弁償話を切り出せなかったのではないか」とも話しているが、結審に際して裁判官から「今後の取引も踏まえれば和解ということもある…との話があったものの、二度と仕事をする気はないので完全勝訴を選んだ」と断じている。

     
     
     
     
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