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待たせる荷主は嫌われる? 荷待ち時間減少傾向か
2014年11月19日
昔から待機時間、荷待ち時間の長い仕事はドライバーから嫌われていたが、運送事業者も弱い立場であることから、荷待ち・待機時間の長い仕事でもやむを得ず引き受けるところが多かった。しかし、最近では車両・人手不足から運送事業者の立場も逆転してきたのか、荷待ち・待機時間の長い輸送が減少しているという事業者もあるようだ。
大阪府高石市の運送A社では、元請け事業者からの依頼で現場での輸送も行っている。取引して間もないため、依頼者の泉北郡の運送B社の依頼で建設資材を現場に輸送したが、現場では荷下ろし作業が滞り、思った以上に待機させられていた。B社からA社に「傭車の車両が次の荷物の積み込み場所に来ていない」と問い合わせの連絡が入ったので、A社が「現場でまだ荷物を下ろしてもらえず待機している」と告げると、B社は荷主にすぐに電話し、直ちにA社の荷物を優先的に下ろすように指示。その結果、1時間以上待機していた荷物がわずか数分で下ろせる状況になったという。その後、A社はB社から「待機させられた場合は直ちに連絡するように」と指導された。A社が尋ねると、B社では「荷物の積み下ろしで遅くなった際、次が急ぎの仕事の場合は高速代や残業代の負担を荷主に請求している」という。荷主企業もそうした負担を恐れてか、B社に依頼した仕事については「できる限りスムーズな荷物の積み下ろし作業を行ってくれる」と説明した。
同和泉市の運送C社では「最近では雑貨でも、待機時間の長い仕事は労働時間などの問題から自車も傭車も拒む。荷主企業も車両の斡旋が減ることを意識して、極力待機時間の減少を図っているようだ」と話す。「ある大手の日用雑貨製造メーカーなどでは深夜まで待機させられることから、最近では誰も依頼を受けようとしない。いろんな元請けの運送会社が入れ代わり立ち代わり入るが、待機時間が長すぎて傭車が集まらず、最近では、どこが元請けなのかもわからない状態。荷主企業側も現在、『運送会社は待たせててもいい』という時代ではないということを理解してきているため、現在の人手不足は日本全体に輸送の重要性を知らしめているのかもしれない。運送事業者を大事にしない荷主企業は今後、輸送手段がなくなり経営にも大きく影響する。待機時間も減少していく傾向にあるはずだ」と語った。
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