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パレット流出を防げ 毎年2000万枚投入
2017年9月29日
効率的な物流を考える上で、なくてはならないものが「パレット」だ。大量の荷物をリフトで一度に運べるメリットがあり、運送事業者にとっては欠かせないツールだろう。現在、国内で流通しているパレット数は5億枚と言われている。投入される新しいパレットは毎年2000万枚ほどあるというが、これだけのパレットが毎年、壊れたり、流出している計算となる。コスト負担は大きく、関係者は流出防止に頭を悩ませている。
日本パレット協会(東京都江東区)によると、「パレットには耐用年数があり、また、壊れるものや紛失するものもあり、年間2000万枚が投入されている。しかし、何をもってなくなったのかは、はっきりと言えないので線引きが難しい。どれだけ流出しているのかはっきりとは言えない」としている。日本自動車部品工業会(同港区)では3年前、「パレット適正運用に関する取り組みのお願い」として、他社のパレットを発見した際の連絡を関係者に依頼した。しかし、「解消されたとは聞いていない」と、パレットの流出を防止できなかったとしている。「パレット流出を食い止めるために、見つけた場合は連絡するよう求めたが、なかなか連絡はなかった様子。どのくらいのパレットが流出しているかは企業や製品によっても数量が違うので、一概には言えない。メーカーが戻すように交渉しても、輸送するのは運送事業者。戻す予定のパレットが一番下になった場合、引き抜いてもってくるわけにもいかない。パレットの流出を防止するのは難しい」と指摘する。
ビール9型プラスチックパレット(Pパレ)が平成24年に、年間33万枚の未回収・流出が発生したことをきっかけに設立されたのが、Pパレ共同使用会(同中央区)。加盟社は今年8月末現在で106社となっている。同使用会によると「流出パレットの件数については、基本的には公表していないが、平成26年度で25万枚以上が未回収となっている」とし、未回収ゼロに向けて今後も取り組んでいく」と説明している。
Pパレは平成26年度の場合、4057万6000枚が出荷され、回収されたのは4029万6000枚。回収率は99・31%にもなるが、28万枚が回収されていない。同使用会では、「Pパレ共同使用会指定伝票」と「Pパレ共同使用会共通受け払いシステム」の導入を進めている。同使用会によると「Pパレの未回収・流出を防止するには、Pパレの流通実態を明らかにし、タイムリーに受け払い状況を把握、確認していくことが重要」としている。
国内で毎年、投入されているパレットの数は2000万枚。メーカーサイドのコスト負担は結局、運送事業者に回ってきているとも考えられる。破損した場合はともかく、流出するパレットに対して歯止めをかけたいところだ。
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