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    東海運・弘津社長「地盤強固に、さらなる拡大へ」

    2008年11月5日

     
     
     

     1917年、京浜港での輸出入貨物と京浜間の大量貨物の艀(はしけ)回漕を目的とした港湾運送事業者として設立された東海運(東京都中央区)は53年、小野田セメント(当時)の海上輸送を開始した。
     その後、セメント業界は合併を繰り返し、98年、同社は太平洋セメントの系列会社となった。06年に東証2部、07年には同1部上場を達成を果たした。現在はグループ全体で船27隻、トラック672台を稼働させ建材から食料品、雑貨まで幅広く扱う。海上・港湾・陸上の連携した運送システムを確立しており、年商約四百億円を超える業績を上げている。


     同社は5月14日、決算説明会を開催。その際、08年度から10年度までの3か年中期経営計画も発表。6月28日の株主総会で、岩間貞三社長に代わり弘津裕氏の社長就任が承認された。
     弘津新社長は、親会社でもあるセメント企業で営業部門を担当。物流業に移り、「外部から見てきた『物流』より現場の『物流業』の幅広さと奥行きの深さに驚いた」という。今後の方針として、「まず3か年は中期経営計画をしっかりと進めていく」考え。
     中期経営計画は、(1)アジア地域を主に輸出入のコンテナ取扱量を増やすための営業強化と拡大、(2)三国間輸送を拡充するタンデムネットワークといった国際物流の拡大・強化、(3)環境事業の拡大、(4)財務体質の改善、(5)経営戦略のための人事政策──が主な内容となっている。
     しかし、弘津社長は「時代の流れは常に変化しているから、その流れに沿ってプライオリティは変えていく必要がある」とも。さらに「海外への進出・拡大も進めてはいくが、一番重要なことは足元を固めること」と考えている。
     既存の事業である港湾・倉庫を含めた物流などをしっかりと継続し、今ある事業の基盤固めとする。信頼とサービス、クオリティの向上を目指すほか、海運、倉庫、陸上で省エネ、効率化も図っていくとしている。「特に国内の廃プラ再資源化事業には力を入れていく」と語る。
     同社は現在、「国内は京浜・千葉・名古屋・大阪・神戸・門司・博多の6港を結び、コンテナの陸上輸送へのシステムを構築しているが、中国やロシア、タイなど、特にコンテナ物の日中間取引などは、国際物流の面ではスピードをあげて対処していく」必要があることを挙げている。
     東海運の荷量のうち、太平洋セメントの輸送は売り上げの30─35%を占める。大部分は外部のアウトソーシングによるもので、同社はアウトソーシング営業強化も図っていく。
     弘津社長は「とにかく、今は景気の動向が不透明な状態。エネルギーのコスト問題もあれば、サブプライムによるしわ寄せもある。しかし、基本はあくまで三か年計画。アンテナをできるだけ高くして世の中の流れをつかみ、スピードを調整しながら目標達成を成し遂げたい」と展望を語っている。(小澤裕)
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    弘津裕社長
    ◎関連リンク→東海運

     
     
     
     
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