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物流ニュース
伝三郎商会 マッチングアプリ「G・works」提供開始
2020年7月13日
「日本の物流インフラにあしたのタネをまきましょう」をコンセプトに、荷物と荷台を結ぶマッチングアプリ、「G・works」がサービスを開始している。開発したのは、ベンチャー企業の伝三郎商会(藤田武利社長=写真左、神戸市東灘区)。ドライバーの独立支援をメイン事業として2014年に設立された。乾汽船(東京都中央区)の乾康之社長(同中央)も取締役として参画する同社の取り組み、そしてマッチングアプリの「G・works」を追った。
伝三郎商会を設立した藤田社長は、かつて大阪で鉱業や銀行、鉄道や新聞などの経営を手掛け、藤田財閥を築いた藤田伝三郎の末裔にあたる。藤田財閥は、昭和恐慌で大きく傾き、2014年に直系の会社が破産して終焉するが、伝三郎氏から5代目にあたる同社長が、伝三郎氏の志を継いで、2014年にベンチャー企業として立ち上げた。
当時、物流業界におけるドライバー不足の深刻化が問題視されているということに着目した同社は、トラックドライバーに夢と希望を提供するというコンセプトのもと、ドライバーの独立支援を行う事業をスタートした。
ただ、現在、運送業界で独立するには最低でも5台のトラック、5人の仲間が必要になることから、独立を目指すドライバーの育成や仲間作りを行う会社として、合同会社で足立ギルド運送店を展開している。
藤田社長によると、今回、マッチングアプリ「G・works」を立ち上げたのは、ドライバーの独立支援を行う中で、営業面の課題を解消するためだったという。ドライバー自らが仕事を探すのは困難な中で、G・worksが荷物を探し、荷主とドライバーを結び付ける役割を果たすという位置づけで、同サービスの開発に取り組んだ。
当初は、独立を支援するドライバーのために開発したが、広く物流業界への貢献を考え、現在は、既存の運送会社にも門戸を広げサービスを提供している。
乾汽船の乾社長は、こうした同社そして藤田社長の考えや取組みに共感し、賛同している。伝三郎商会の取締役としても名を連ねる乾社長は、倉庫事業部で荷主としてG・worksに参加し、荷物の提供を行う。
G・worksの特徴は、利用料が安く、利用が容易にできる。利用料は、運ぶ側、いわゆる運送会社側は無料で、頼む場合、いわゆる荷主側が運賃の2.5%を手数料として支払う仕組みだが、現在は、無料サービスとして提供している。
操作は、あらかじめトラックの仕様や希望する条件を登録しておけば、自分で探さなくても、システムが自動で仕事をリストアップしてくれる。
さらに、同サービスにはアナリティクス機能があり、荷主側からすると、いつならトラックを探せるか、比較的探しやすい曜日や時間帯の検索ができ、一方、事業者側からすると、いつならオファーが来やすいか、荷主から依頼を受けやすい曜日や時間帯などの検索が可能になっている。
同サービスを利用するにあたり、3つの条件がある。一つ目が、G・worksの目的(合理的で効率的な配送の需給合致を助けること)を理解し賛同すること、二つ目が誠実であること、そして3つ目が法令違反や信用を傷つける行為には、利用停止や追放処分があるということだ。これらを理解した上で登録可能となるが、「使っていただいてこそ、役立つアプリ」だと話す同社長は、「当面の間は、受ける側は最初からそうだが、出す側も無料としているので、どんどん登録して活用していただければ」と話している。
◎関連リンク→ 株式会社伝三郎商会
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