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運送会社
アイユーシー 古川賢一社長「企業の成長意識し改革」
2023年10月6日
【東京】コンビニ関連と一般貨物の輸送を展開するアイユーシー(杉並区)は今年創業80周年を迎えた。現在、物流拠点は本社以外に9拠点、社員約140人を含む全従業員は500人弱。ちょうど一年前、新社長に就任した古川賢一社長に話を聞いた。
古川社長が入社したのは今から35年前。アルバイトを経て、ドライバーとして入社した。本やコンニャクの配送を経験した後、運行管理者として配車の仕事をしつつ色々な資格を取得。自社物件の「所沢流通センター」新設時には初代所長に就任。その後は浦所流通センター、朝霞流通センターと新規立ち上げを含め各センターの所長を務めたが体を壊し現場を離脱。約4か月後に復帰した際に本社の総務部に異動した。
「人事や銀行取引、営業所の立ち上げにも率先して関わった。本社幹部の窓口として顧客対応し、現場レベルまでの決済を任せてもらった。五十嵐良夫名誉会長と山内秀夫会長がそれぞれ現役社長の頃からさまざまな仕事を経験させてもらっているうちに自分が社長に押し出された」と笑う。
「以前は社内の人事異動も結構あり、営業所間も切磋琢磨しながら協力する横のつながりが強かった。全社一丸となる団結力はあるが、業務がコンビニか一般かで大きく分かれ、以前よりも横のつながりが薄くなった気がする」とし、「社長就任後、やっと全営業所を回り終えることができた。今後も月に一度は営業所訪問を実行したい。現場からの報告は悪い報告が遅くなりがち。その結果、自体が悪化したり、顧客に迷惑をかけたりしてはいけない。社員に〝報告をしないという嘘〟をつかせたくないので、言いやすいように水を向けてあげたい。失敗には早い対応が重要」と言い切る。
そして「わが社の取柄は機動力だが継続性が少し弱い。やるべきことを継続しているか、気付かせるのも自分の役目」と言う。
今後の方針では「社業の発展と社会貢献、顧客満足度の向上と信頼確保、従業員の幸福追求と働きがい、時代の変化を捉えた創造性と対応力、の4点を掲げた経営理念は絶対に守っていく。その継続のために顧客の信用は必須。商品事故や出荷ミス、小さな事故も含め、事故やミスはゼロにしなければ。まずは富士流通センターの白ボディトラックに、富士市の小学一年生に描いてもらった交通安全の絵を4トン車6台と大型1台のトラックにラッピングし、配送員への教育と目に見える効果の2つを合わせた事故防止に取り組んだ。これは今後、成田や杉並、所沢各センターの自社車両入替に合わせて約50台に実施していく。時間はかかるが着実に、目に見える事故防止を拡大していく」と話す。
また、「6月に協力会社も含めた全員に『無事故月間』のワッペンを作って配り、全員参加で無事故に取り組んだ。今後もこのワッペンを付けて継続していく。もう一つ、平塚営業所で行った『ありがとうキャンペーン』の第2弾を朝霞営業所で実施した。周囲への配慮を促すこのキャンペーンは今後も3か月のインターバルで各営業所に展開していく」と語る。
そんな古川社長の趣味はガーデニングで「一度だけ甘いミニトマトが豊作だった経験から家庭菜園にはまった。その後は思うように生らず苦戦中」と話す。
社長就任から丸一年。「一年目は信頼、品質維持を重視した。これからは企業の成長を意識した改革を。社員の皆さんに、この会社に居て良かったと思ってもらうためにどうすべきかを考えていく」と語る。
◎関連リンク→ アイユーシー株式会社
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