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物流ニュース
標準的な運賃、ようやく土台に 公取委の社名公表経ても「1%」ずつ
2024年2月22日
「いまになってやっと、運賃交渉の土台に『標準的な運賃』が持ち出されるようになった」。年明け早々にトラック事業者から本紙にそうした連絡が入ってきた。運送契約のあるメーカー系物流会社との間の運賃交渉は昨年まで現行運賃に対する比率、つまり現行運賃の何パーセント分を引き上げるといった形だった。原価計算とはかけ離れた意味での積み上げ式運賃交渉から、標準的な運賃という指標を使った運賃交渉へ――。一口に言ってしまえばそれまでだが、トラック事業者にとってのその道のりは長かった。
メーカー系物流会社は一昨年(22年)の年末、独占禁止法上の優越的地位の濫用の要件の一つにあたるおそれがあるとして、公正取引委員会から社名を公表された。
エネルギー調達を含めた原材料価格や本当に人材を確保するための人件費などが高騰しているにもかかわらず、その上昇分を取引価格に反映させるための手続きを怠っている――。こうした懈怠が優越的地位の濫用の考え方に触れるという趣旨をもとに、政府全体の施策(「転嫁円滑化施策パッケージ」など)に資するために公取委が社名公表したものだ。
「なぜ社名まで公表されなければいけないのか!」。独禁法に関する従来の運用を越えた扱いに対し、「買いたたき」という汚名とともに社名が公表された13社のなかからは公取委への抗議の声も聞かれた。
独禁法の解釈変更ともいえる一昨年末のこうした動きの数か月前から、先述のトラック事業者は運賃引上げの交渉を始めていた。いまから4年前の20年4月、国交省が告示した標準的な運賃をもとに「一歩も引かない」(トラック事業者)交渉をする腹積もりだった。
そこに、公取委による社名公表がドンピシャに重なった。「標準的な運賃の満額まではいかなくとも、せめてこのくらいは!」。約30年の実績によって配送コースにある得意先の状況なども熟知している。新型コロナの5類移行なども目に見えてきた頃で、昨年始めは「これでいける!」とトラック事業者は意気揚々の表情だった。
昨年3月末。運賃交渉は着地点を見た。引き上げの妥結割合については昨年4月から1%分、昨秋からはさらに1%分、そして今年春にさらにもう1%分の計3%分。意気揚々が完全に消沈した。
トラック事業者の「一歩も引かない」は、「着地せざるを得なかった」に変わった。従業員の給料は上げたい。しかしそれに見合った運賃には遠く及ばない。なにしろ、30年前の運賃をずっと据え置いて運行させてきているのだ。
運送契約を破棄して得意先探しへ――。それも考えた。しかし、数十台分の仕事を新たに確保するには時期がいかにも悪い。コロナ5類移行の期待感とは裏腹にトラック事業環境の荷動きが悪すぎる。この状況のまま「2024年問題」を迎えることになる。そして年明けにトラック事業者に飛び込んできたのが、物流会社からの情報。「標準的な運賃の75%は(運賃を)出さなければならないと考えている」だった。
トラック事業者は、「1日常傭の現在の市場運賃(時間制)は標準的な運賃の6割程度ではないか。そこから見ると75%は理解できる」。原価計算とはかけ離れた形の1%ずつの積み上げ式運賃交渉からの解放。標準的な運賃が「24年問題」到来とともにようやく意味をなすものに育ってきたのかもしれない。
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運送業者ですが、荷主の中にも協力してくれて運賃を上げてくれるところは上げてくれています。ただ最近、交渉時に思うのは荷主側も上げたくても上げれない。利益のない状態になる荷主もいるという事です。営業努力が足りないと言えばそれまでですが、日本は中小企業がほとんどです。
そろそろ国や自治体は運賃を上げるという発言や動きよりも減税などの国としてのバックアップをお願いしたいところです。
2024年問題は1企業が提起したものではなく。そもそも国が制定した問題です。
結局90年代ごろから法人税の分を消費税に切り替えた事が中小企業にとっても良くなかったと思うのよね。
法人税って従業員の給料含め経費差し引いた後の利益に課せられるから会社の経営状況次第で自然に減税される(赤字企業には1円も課税されない)のに、消費税は7割いる赤字中小にも平等に課税するんだもの。
本当にそうです。わずかに利益出たと思っても消費税でマイナスです。財務官僚は本当に頭が良いですよね
法人税や所得税を消費税にしてもトータルの税収はほとんど変わってない。
なのに弱者対策でコロナで全員への10万円給付や飲食に補助金出したり、消費税率10%にしたときに年金受給者に年金とは別に給付金制度を作ったり、働き方改革も子育て支援も給付金ばかりで、官僚というか与党の政治家は自分で自分の仕事増やしてる上で税収増やすたびにそれ以上にマイナスになってるから頭が良いとは思えんよ。
営業努力と品質向上努力が足りん。
値上要求するなら、まず事故ゼロ誤配ゼロにしてからにしろっ。
義務を果たさず、権利だけ要求するコジキ業者は、不要。
事故誤配したらその分だけ弁償する義務しかないはずでは。
本当に替えが効かない大事な物でそれだけの配送品質が欲しければ、ちゃんと契約に盛り込んで良い金額出しておけば良いだけ。
弊社は5%上げてもらいました。が、元々の運賃が激安なので標準運賃の7掛けです。社長はこれが市場価格だと納得しています。
上がってはいるけど大手の所だけかな?
後は、荷主から2024問題についてお考えですか?とか聞かれてる。
一片だけ令和にしても、残りが昭和だとうまくいかないから、もっと広い視野で見ないと、運賃上げたくても上げれない企業は沢山あると思う。
愛知県のトラックドライバーは名古屋走りは仕事中も抜けてない
プロでも体に染み付いている
直前に車線変更はわざとだと認識している
糞名人
名古屋走りする愛知県民
三重岐阜にも病気移っている
荷主が運賃上げても物流子会社や元請が上がった分をそのまま抜くので実運送の運賃は永遠に変わらない。いーなーFAX流すだけで3割抜けて
FAXで3割抜き?
ヌルイヌルイ。電話で即返要求で押せば、もっと安くできる。
こちらは38%まで抜けましたよ。下請けなんざ養分養分。
うちは値上げする前に帝国で相手の会社調べて経常利益どの程度か調査し、払える予想金額分を値上げしますよ。
酷い会社は経常利益年一億近くあるのに、月10万円分の値上げすら拒否されたところもあります。
銀行に対して決算書は立派ですが、物流会社を泣かして儲けてる付き合うに値しない会社なので、新規見つけ次第撤退します。
赤字で倒産しそうになっても荷主は助けてくれませんよ。
お互いに頑張りましょう
そら助けませんよ。
配送程度、他にいくらでも請けさせるツテはありますし。
馬車の馬が一頭くらいダメになっても困らんですわ。当然、やたら暴れる馬、気難しい馬もノーサンキュー。ちょっとは身の程を知っていただきたいですな。
せめて軽油の値段を昔みたいにガソリンの半額以下に戻せ。
軽油とガソリン(レギュラー)の価格差は、殆ど税金額(固定額)の差でしかないから原油が半額にでもならなきゃ無理
その原油も中国はじめ新興国の経済発展で取り合いになってる、中東でタンカーが武装組織に襲われるから迂回を迫られたり運ぶのが困難になってきてる、おまけに気候変動でもう20世紀みたいに湯水の如く使うわけにもいかない。
永遠に油代は戻るわけないのに、国内のトラックバスメーカーはEVや水素車の開発販売に乗り気じゃなくて輸入車しかなくなりつつあるあたりも、希望が持てんよね。
荷主と交渉して払えないなら黒字倒産?事業撤退まで考えてないと2024問題だけでなく自動運転レーンが新設され新車購入費用等が運送側に費用負担させられると予想されるので転換期でしょう。
どのような事をしても運転手は歩合制の人が大半を占めてます。運輸会社内で労働時間の隠ぺいされたら明細書ではわからないし。運賃が上がり給料も上がるなら運転手も喜びますけど。仕事も出来ない時間が掛かり人は苦労もしないで給料を貰う人が増えますね。
企業から聞き取りでなく流通を動かしてる運転手からの聞き取りをしないと何も始まらないと思います。
今だに昭和時代みたいな給料を上げれば辞めないだろうとした会社がありますから。
中小零細の社長は最低運賃を設定して下さいだろうな。
中国人就職率0%
中国人若者日本へ急増中
変革の邪魔者になるかも?
外国の人増えてきたから
政府もテコ入れしないと
また無茶苦茶するでしょね
韓国人も同じく日本へ就職探し増えると思う