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    東北ー関西間の輸送 数年前から1.5倍に

    2015年1月9日

     
     
     

     東北では震災復興のための工事が進められているが、深刻な人手不足により、いまだ思うように進んでいないのが現状だ。しかし最近、復興関連の貨物以外の輸送も少しずつ増えてきているようだ。大阪府下の運送会社では、東北・福島までの輸送を荷主企業から不定期で依頼されている。しかし、同社でも昨今の人手不足や車両不足で、自車だけでは間に合わず傭車も求めている。しかし、なかなか見つからず、見つかっても運賃が上昇していることから今後、荷主との運賃交渉が進められるようだ。
     荷物は雑貨で、府下から東北・福島までの大型低床での輸送だが、数年前までは府下の運送会社に傭車で依頼して10万円程度の運賃だった。しかし、法令順守や燃料価格の高騰などの影響で、現在では15万、16万円と数年前と比較して1.5倍に上昇している。


     大阪市内の別の運送会社でも「定期的に大型トラックで東北方面に輸送している。しかし、行きの荷物が確保できても帰りの荷物が確保できないため、東京まで下ってから帰り荷を確保することが多い。東北から東京まで空車で行く分のコストがかかることや、休憩時間などの確保が厳しいこともあり、以前なら2、3日運行での行程も現在は東京まで戻って荷物確保するため4日運行になる。そのため、行きの運賃は自然と高額になり、最低でも15万円程度にはなる」と語る。
     また、東大阪市の運送会社でも「東北から関西に向けての車両や荷物が極端に少ないことからロスが多い。東北の車両が確保できれば多少はコストも下げられるが、そういった車両は確保しにくく、自車を走らせることになる。そのため、最低でも16万円程度必要」と話す。
     また、堺市でトレーラによる耐震工事用資材を定期的に輸送する運送会社では、「3年前までは帰り荷も確保できていたが、関西方面の景気が悪く、関西に向けての輸送が少ない。そのため東北からの車両が確保できず、当社でも自車でトレーラを東北まで運行し、1日かけて関東に入ってからの荷物確保となる。最低でも4日間の運行となり、輸送効率が大きく低下する。当社では荷主に理解を得て、東北方面の輸送についてはトレーラであれば20万円以上の運賃を求めている。今までは関東から関西に向けての荷物も多くあったが現在では少なく、関西から関東に向けての荷物は増加しているのが現状。関西から関東、東北に向かう場合、帰り荷が少ないことや労働時間の問題(法令順守)などを考慮して、運賃も値上げしていかないと大きな赤字につながる」と現状を語った。同社も「往復運賃で…」と考えることも多いが、やはり荷主には、そこまで言えないのが現状のようだ。
     万一、東北まで4日運行で、関東から関西向けの荷物がスムーズに確保できず1週間運行となった場合、利益は発生しない。そのため、運送事業者にとっては東北方面への輸送はリスクが高いため、大幅な運賃値上げになっているようだ。

     
     
     
     

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