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    定着率上げる評価制度 ドライバーの給与に反映

    2015年2月16日

     
     
     

     運転や作業、顧客への応対などトラックドライバーの仕事の多くは管理者から見えない。そのため、仕事ぶりを評価し、給与に反映させるのは簡単なことではない。しかし、ドライバーを評価する仕組みを導入することで人材確保や定着を図ろうと、毎月の給料ではなく定期的な表彰や褒章といった形でドライバーの頑張りに応えようとする動きが目立っている。
     「何トン車でどこまで行ったら給与はいくら、といった基準でドライバーを評価している」という北海道札幌市豊平区の事業者。「能力や姿勢ではなく仕事の量を見ており、朝早い仕事が多いなど頑張っているドライバーには社長の主観で1万円をつけたりすることもある。しかし、ドライバーの定着率は悪く、新人教育もその都度大変」とこぼす。


     また、同夕張郡の事業者は「頑張った部分を評価したいと考え、今年度から評価制度を導入したが、半年間運用してストップした。主観による評価なので本人と管理者による評価に開きが出て、納得感が得られなかった。また、5段階評価でやると無難な3に評価が集まったため4段階に改善したものの、それでも中の上に評価が集中した。現在は完全に時間による給与体系へと変更したが、仕事が遅い人間が給料を多く取ることになるので、もう少し違った形へ見直していきたい」と話す。
     このようなケースは少なくないようで、運送業を専門とするコンサルタントの瀧澤学氏(企業管理協会、東京都杉並区)は「仕事量や時間では測れない部分をどう評価すればいいのか、多くの運送会社が苦労している。この20年間、ドライバーの給与体系は月給制から日給制へと変わり、また、何トン車に乗るといくらといった流れだった。能力や意欲を評価する部分が少なく、就社心も育成できず、人材が定着しないという会社が増えた」と話す。
     しかし、人材不足が顕在化した現在、同氏は「ドライバーを大事にしなければいけないという流れに変わってきており、今は再び月給制に戻している会社が増えている。また、家族手当や勤続手当をつけるところも目立ってきた。ドライバーの評価は難しく、技能や努力について評価していくと、管理者が人事考課の訓練していないため主観で評価することになり、社内に不満が溜まる。頑張った分を毎月の給与に反映するのが難しいので、褒章金や表彰制度の導入が多い。運送業界では、このほうがやりやすい」と説明する。
     同小樽市の事業者は毎月、デジタコの点数が高かったドライバーの家に米を送り、正月には年間を通じて頑張ったドライバー1位から5位までを社長表彰している。この際、家族宛てに一筆書いて、商品券を渡している。評価の基準はデジタコの年間点数、事故やクレームの件数など客観的に評価できる項目で行っており、この評価制度は社内で定着している。
     同北広島市の事業者は「以前は毎月、複雑な評価シートを用いたが、運用の煩雑さと導入効果があまり得られないことから新しい評価制度へと変更した。年度始めの全体会議で数値化した安全面のほか、顧客や仲間から褒められた声、頑張っているといった声などをきっちりあげて表彰している」という。
     同石狩市の事業者は「人事評価制度は以前導入していたが、数値に基づくものではなく、個人的感情が入っていた。今は、ドラレコの点数で半年ごとに成績上位者に金一封を与えているが、これでは運転の点数だけを気をつけるようになり、顧客の評判、あいさつや身だしなみといった点は評価できない。そちらの方に変えていきたいが、その手法が難しい」と話す。
     瀧澤氏は「評価制度の運用維持は難しく、うまく行かない事例も多い。それでもドライバーを評価しなければいい人材は残らない」としている。

     
     
     
     

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