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    小山企業 OJTで人材育成、大卒者が管理職で活躍

    2015年5月1日

     
     
     

     少子高齢化や中型免許の導入の影響もあり、若年労働力の確保が年々難しくなる運送業界。しかし、こうした中で「若者の活力が企業を成長させる」と考え、20年以上前から大学新卒者の採用を続けている物流企業がある。そこには、単に作業員やドライバーを確保しようとするのではなく、企業を担う人材を呼び込み、育てようという視点がある。
     小山企業(小山嘉一郎社長、埼玉県戸田市)は、20年以上前から大卒採用を開始した。「会社を活性化するために」と、同社の社員教育の礎を築いてきた小山忠副社長は話す。
     新卒採用にあたり、人事考課制度を徹底的に整備したという。7等級の評価段階を設定し、等級と役職を連動させた。新入社員から管理職に至るまで、一貫した人事評価制度を敷くことで「新入社員にも、きちんと評価されているという安心感を与えてきた」という。


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     新人教育の現場で重視してきたのは、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だ。小山副社長は、「仕事の中でコミュニケーションを取ることが何より大切」と、その神髄を語る。入社3~5年目という年齢の近い先輩社員が担当になり、きめ細かな指導と日報によるやり取りで新入社員の不安を取り除き、成長を促す。さらに、OJT担当者を集めて月に1度の会議を行い、上司の目が行き届く体制を作ってきた。
     「年齢の近い者同士、悩みも言いやすい。また、自身のステップアップという明確な位置づけで新人教育にあたることで、担当者自身も大きく成長する」という。こうしたOJTの仕組みで、新入社員の離職に悩まされたことはないという同社。「もちろん、中途採用者も同じ新人教育を受ける。新卒者が定着する職場には中途の人材も集まるもの」と同副社長は話す。同社では、新卒採用で入社した生え抜きの管理者が活躍し始めている。
     今年度からは、倉庫だけでなく、輸送部門でも新卒採用を始めた。中途採用で定員が埋まったためドライバー職での新卒採用はなかったものの、一人を事務職で採用した。同副社長は、「OJTは倉庫はもちろん、ドライバーに対しても行っている」という。
     業務の中でコミュニケーションを図りながら教育していくというOJT自体、一人で乗務するドライバーには不向きと捉えられがちだが、同副社長はそれを否定する。「デジタコやスマホの浸透で、一人で乗務していても事務所にいる管理者と密にコミュニケーションを図ることが可能になった」と指摘。「デジタコの位置情報から付近の道路状況を伝えたり、ドライバーから質問を受けたりと双方向のコミュニケーションを活発に行い、スムーズな業務遂行とドライバーの育成を図っている」という。組織の一員として皆で業務に当たっているという感覚の共有をドライバーにも促している。こうした素地があるため、同社では新卒採用にも積極的に取り組めるのだ。
     人材不足が深刻化するなかでも小山副社長は「東日本大震災を機に、若者の物流への関心は高まっている」と分析する。「社会生活を支える大切な要素という理解が深まり、社会貢献という面からも注目されている」という。さらに、「行政からも注目されるようになった。物流に対するイメージが良くなっている。志のある若者に応えられる企業作りをすることで、人材を呼び込める組織になることが重要」と語る。
     同社では、人事考課と連動した教育で明確な目標を与え、達成度や会社としての評価をフィードバックする仕組みを活用する一方で、「〝家族的な雰囲気〟と企業説明会に来た学生に評される」という会社としての魅力を持つことで、若年者採用に成功している。
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    ◎関連リンク→ 小山企業株式会社

     
     
     
     

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