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物流ニュース
埼玉県コンテナラウンドユース推進協 輸送距離25%減少
2015年5月22日
埼玉県コンテナラウンドユース推進協議会(古里実議長)は3月20日、今年度2回目の協議会を開催。昨年11月から今年1月にかけて行われた社会実験の結果報告などが行われた。
輸出入の海コンのマッチングを図り、効率的な輸送を推進することを目的とする同協議会。県が設置して昨年10月に発足し、現在41社で構成されている。行政が積極的にラウンドユースを推進する試みに県内外の関係者からの注目が集まっており、同日は協議会構成員とオブザーバー計83人が参加した。
ラウンドユースの実績を把握し、促進を図る目的で昨年11月から実施した社会実験は、構成員からの報告件数が対象期間で245件、参加企業数は50社(陸運事業者14社、輸入企業16社、輸出企業11社、船会社9社)となった。輸入または輸出の拠点が県内にあり、同一コンテナのラウンドユースで空コンテナの輸送削減につながった事例を対象に行われた分析によると、1回のラウンドユースでコンテナの輸送距離は平均61.5キロ(24.9%)減少、輸送時間は平均6.5時間(40.4%)減少、CO2排出量は総計で16.5トン削減した。
社会実験に参加した企業からは、「荷積みの現場間の運行などでは荷物の積み下ろしがないため、女性や高齢ドライバーの雇用促進につながる」「関連企業の調整に手間がかかる」「コンテナ置き場などの設備投資も必要で、単純なコスト半減にはならないことを荷主も理解することが必要」などの意見や、「輸出入のタイミングやコンテナの種類を合わせるのが難しい」「内陸コンテナ置き場がない」などの課題が浮き彫りになった。
同協議会では今後、主に次の3点に取り組む。まず、「社会実験の報告内容の拡充」として、船会社主導の報告が可能なことを明記し積極的参加を促すこと、さらに国内貨物を復路の積み荷とするコンテナのラウンドユースも報告対象とすることで、輸出入の物量のミスマッチを是正し、ラウンドユースをしやすくする。次に、「効率的な海上コンテナ物流の在り方検討」を5月から来年3月まで実施し、普及させるための公的な物流拠点整備を検討していく。最後に、「参加企業の拡充」に努め、成功事例の共有やマッチングシステム運用を促進する。
今年度の社会実験の予算は1200万円を予定しており、現在、「公的な物流拠点整備の必要性検討」に関してプロポーザルを実施中。次回の開催は7月を予定している。この記事へのコメント
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