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物流ニュース
アサヒロジ 丸山社長「すべての根っこに『愛』がある」(下)
2015年8月5日
「形のないサービスの物流業界にはイノベーションが必要」と強く感じていた丸山社長。「身近にありながら注目されてこなかったフォークリフト(FR)を自分の車と同様に大切にする『愛車運動』の話を聞き、震える思いがした」という。『愛車運動』とは、傷だらけのFRをペンキなどでリペアし、きれいな状態を維持していく運動。傷がついた時は、何に、なぜぶつかったのかを検証する。原因を解消し、庫内事故もなくしていくというもの。
「庫内事故は見落とされがちだが事故は事故。問題が操作にあるのか、納出荷のシステムなのか、庫内レイアウトなのか。今まで埋もれていた課題が浮かび上がってきた」。丸山社長はこの運動を、まず東京支店に導入し、各現場の方法と結果を発表・評価しあう場を設けた。2年目は一気に全国展開に拡大。現場では社員が競って意見やアイデアを出し、事故削減に取り組みだした。「一人ひとりが自分で考え、必要な行動をとっている。もっと良くしようという熱意が伝わってくる」とし、「今までは暇な時間に携帯電話をいじっていた社員も、今ではFRを拭いている。それと共に社内清掃が隅々まで行き届くようになった。自分の職場という意識と職場への〝愛〟が強くなった」と顔をほころばせる。
一方、「問題は、課題がなくなってきた時のマンネリ化の防止と熱意の維持。それは、本社がいかに次々と仕掛けを繰り出せるかにある」とも。3年目を迎える今年は、FRだけでなくトラックを対象とするなど運動を拡大した。事故削減については、「ながら操作の禁止」にも注力。FRの荷台を上げ下げしながら前後への移動も行う「ながら操作」は、処理時間が2割短縮可能というが、事故の増加も否めない。「基本通りにやろう、と。時間のロスは確かにあるが、慣れて操作がスムーズになると時間のロスは全体の作業で吸収できる。身についた癖を直すのは大変だが、事故は絶対に減らせる」と熱く語る。
丸山社長の趣味は剣道。7段の有段者である父親から指導を受け、自身も6段の腕前ながら「腰の不具合で稽古ができないが、剣道で活躍した女性の新入社員がいると聞き、ワクワクしている」と話す。「アサヒグループは社員の仲が良いのが特徴。仕事外でもコミュニケーションを深めていきたい。すべての根っこにあるのは〝愛〟。人も車も職場も〝愛〟があって大事にする気持ちが生まれる。この気持ちが自然と5Sにつながり、安全につながる。この『愛車運動』は、社内だけでなく業界全体に広げていけたら、物流業界がもっと明るく楽しく安全になるのではないか」と語る。
◎関連リンク→ アサヒロジ株式会社この記事へのコメント
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