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物流ニュース
国交省 物流政策中間取りまとめ「連携し課題解決力強化を」
2015年10月3日
国交省は9月25日、今後の物流政策の基本的な方向性について、審議の中間取りまとめを公表した。 物流は、取り巻く社会経済状況の変化から「人口減少・少子高齢化」「災害リスクの高まり」「地球環境問題」「荷主・消費者ニーズの高度化・多様化」など、単にマーケットメカニズムに委ねるのみでは対応することが困難な課題が近年顕在化しており、「効率的」「環境に優しい」「災害に強い」物流の深化と、将来の物流のあるべき姿を見据えた中長期的な政策の確立が求められている。
中間取りまとめでは特に、社会資本のストック効果の最大化や物流システムのさらなる高度化、さらには関係者間の連携と企業・国民の理解と協力を促すためのPRなど、潜在的輸送力を最大限に引き出すとともに、新たな連携で課題解決力の強化を重要テーマに位置づけている。
8月21日開催の社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会(家田仁部会長、東京大学・政策研究大学院大学教授)と交通政策審議会交通体系分科会物流部会(野尻俊明部会長、流通経済大学長)の合同会議での取りまとめ案の検討を踏まえ、新たな文言が追加された。
物流政策の基本的な方向性についての章で、「物流は国内外の社会経済活動を支える重要な社会インフラである」こと、「荷主との契約内容が不明確であるなど、個々の物流事業者の努力のみでは改善することが困難」であることを明記。「社会的な非効率や外部不経済を軽減し、物流を効率化・高度化する上では、荷主や物流事業者のみならず広く利用者も含めた企業や国民の物流に対する理解と協力が欠かせない」ことを強調している。
また、将来の物流のあるべき姿を見据えた骨太で中長期的な物流の確立では、これまでの物流のイメージを払拭し、「明確でより前向きな物流の将来像を構築し、それにふさわしい効果的な発信を行うことが重要である」とした。
今後の物流施策を講じるにあたっては「『いつまでに』『何を』『どうする』といった国民の理解につながるような指標を設定し、客観的に達成状況を評価する」必要性を示した。
また、具体的な取り組みについての章では、大都市活力を物流面からさらに高める施策のあり方として、新たに東京オリンピック・パラリンピックに関する項目を追加。「新たな都市内物流のモデルを構築し、日本の物流の信頼性の高さなどを世界に発信する絶好の機会と捉え、PRしていくことが重要」として、これらを契機に、円滑で効率的な物流を考慮した建築物の設計・運用を、全国的に広げる取り組みも必要だとした。
◎関連リンク→ 国土交通省この記事へのコメント
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