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物流ニュース
ダイユー 自社便からプロに委託、効率化図る
2015年11月16日
栃木県で県北地域を中心にスーパーマーケット11店舗を展開するダイユー(大林貞征社長、那須塩原市)は、昭和10年に大林魚店として創業。当時から鮮魚だけでなく日用雑貨も数多く扱ってきた。「地域の暮らしに役立つスーパーマーケット」として、地域住民とともに歩み、発展。大手をはじめ激戦が続くスーパー業界で地元の雄として健闘している。
同社は、栃木労働局主催の運送事業者と荷主による「労務・安全衛生に係る物流懇談会」の荷主側メンバー。懇談会は「トラック輸送における取引環境・労働時間改善県地方協議会」の発足を受け、大田原労基署管内でスタートした〝地方協議会のミニ版〟に相当する。
懇談会に参加する同社の渡部登志一取締役経営管理部長(写真)によれば、「トラック運送事業者との付き合いは創業当初から」。県内のK運送に、市場から運ぶ商品を頼んだのが始まりで、今も、東京の築地市場からの仕入れなどで幹線輸送を委託している。「ただ、それ以外の輸送はすべて自社のトラックで行っていた」という。
物量の拡大とともに自家用トラックは3台となり、プロの運送事業者にスポットで依頼するケースも急増した。「専属の従業員も配置せねばならず、効率を考慮」して、平成17年から、自社でまかなってきた県内の工場や物流拠点、店舗間輸送など、すべて地元のN物流に任せることに。現在、ダイユーが直接、物流を委託するのはK運送とN物流の2社となった。
「『安全と効率化』を考えたら、プロに頼むのが一番。輸送中に何かあればリスクは大きい。たとえ小さな事故でも輸送に遅れが出て、棚に並ぶ商品が間に合わなければ販売チャンスロスになるばかりか、信用問題につながる。スーパーマーケットの顧客には輸送の遅延など関係ない」。自社でやっていた頃は「手積み、手下ろし」だったが、今はプロがゲートリフト車でカーゴ車を使い運ぶ。「効率と安全面は(自社便と)比較にならない」ほど改善した。
ダイユーが取り扱う商品は生鮮食料品、日配品が中心。コンピューターシステムによる独自のイントラネットで本社と各店舗を結び、データの格納から集計処理を行うデータセンターを組み込み、全社で一元的に物流と販売を管理している。
商品の移動は24時間365日、15分単位で記録。「本社では30分単位で見ることができる」という。スーパーマーケットならではの厳しい時間管理だが「プロはそれに応えてくれる」。
K運送は大型3台、N物流は4トン中心に4台が毎日稼働。すべて保冷車で「鮮度管理物流」を提供する。「昔に比べると規制は厳しくなったが、その分、本当に良くなってきたのでは」と渡部氏。「われわれ荷主側も、例えば5トン分を買ってきて『4トン車で運んでくれ』など違法を承知でお願いすることがあった。荷主側にも責任がある。これからは安心・安全が最優先なのは荷主も物流業者も同じ。歩み寄れるところは互いに歩み寄る努力が必要だ」と話した。
◎関連リンク→ 株式会社ダイユーこの記事へのコメント
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