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物流ニュース
西村梱包倉庫 スリット加工で付加価値、顧客とのパイプを太く
2016年6月20日
タブレット端末や工学関係のモニターなど、現代社会に欠かせない機器に使用する工業用最先端フィルムのスリット加工事業を手がける西村梱包倉庫(市川巌社長=写真右、大阪府高槻市)。同事業を始めたのは14年前で、運送業と倉庫業を手がける事業者が多くいる中、他社との差異化を図りたいと考えて始めた。顧客とのパイプを太くするために、商品をタイムリーに提供できる事業の一つとして着手した。
市川社長は「運送と倉庫を両方手掛けている事業者は多いが、多様化する顧客のニーズに最先端の技術を生かして仕事をすることで、荷主の信頼を獲得できると考えて取り組んできた」とし、「スリット加工事業をすることで、他社よりも1日早く荷物を提供できるという付加価値を生み出した」と説明する。
同事業は最先端の設備機器を活用して、特殊なフィルムの巻き取りや裁断、加工などによりコアな商品を荷主ごとに提供している。製品の大切な部分を保護するため、小さな傷もつけてはいけないミクロンの世界の話になってくる。
そのため同社では、病院の手術室よりも優れた洗浄度のクリーンルームを完備。設備投資に注力して高品質の商品を提供しているだけでなく、商品を保管している移動ラックは、「東洋エリアで1番長いラック」を導入。加えて、耐震強度も震度7から8まで耐えられる設備を完備していることも同社の強みだ。
また、最新の設備機器によるコンピューター管理だけでは良い製品が提供できないと感じており、品質管理に徹底して取り組んでいる。さらに、スリッター事業部の作業室内温度は常に20度に保っているが、外気温は気候で日々変化するため、その影響でフィルムが変化し、同じ商品のフィルムでも巻き取る時に微妙にズレるだけでなく、巻き取りの強さなどを調整しないとフィルムの硬さなどに影響してしまうデリケートな商品を扱っているからだ。巻き取りなどの微妙なズレは、長年同社で働いている社員の経験とノウハウで修正しているため、「他社ではマネのできない高品質の技術になっている」。
同社では、良い人材を育てるために人材教育にも注力している。気持ちを一つにするため毎日室内の清掃などを全員で行っているだけでなく、防虫、機械点検など様々なチェックシートを活用して品質管理を徹底。使用している機器のメンテナンスもしっかり行う。
同事業部の安部紀利部長(同左)は「良い人材が作るものは、良い商品になると考えている。少しずつレベルを上げ、さらに顧客の信頼を得られるようにしていきたい」とし、「危機管理にしっかり取り組み、緊急対応ができる会社にすることで顧客の信頼を勝ち取っていく」と話す。
今後の展望として、さらに繊細で難度の高いマイクロスリット事業の展開も考えている同社。両氏は「トータルで安心してもらえるような環境を構築するためにも、設備を充実させて社員教育なども注力し、これからも受注がもらえるようにしていく」と意気込みを語る。
◎関連リンク→ 西村梱包倉庫株式会社この記事へのコメント
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