-
物流ニュース
ETC2.0対応車載器 どう選ぶ?
2016年5月30日
今年4月、対距離制による新しい首都圏の料金がスタートした。圏央道利用分の割引制度や大口・多頻度割引の最大割引率50%を適用するにはETC2.0対応の車載器の搭載が必須となっている。そのため、各社から続々と車載器が発表されているが、複数のメーカー、複数の型式があり、どれを選べいいか分からないという事業者も少なくない。6月以降とされている車載器購入助成の申請を前に、その仕様の違いを改めて確認しておきたい。
商用車用と一般用の大きな違いは、経路情報の記録にある。商用車用は運行管理のために営業所から目的地までの経路情報を取得するが、一般用はプライバシーの問題もあって、起終点から半径500m以内では、GPS情報を飛ばさないように設計している。さらに、一般用の車載器は、特殊車両許可申請の簡素化に対応したサービスである「特車ゴールド」を受けることができない。電圧を確認して、12V(一般車)と24V(商用車)の兼用タイプとされているだけでは、一部サービスを受けられない可能性があるので注意が必要だ。
以上を踏まえると、商用車用の車載器を選べばまず問題ないといえるだろう。(例=パナソニック製CY―ET5000GD、デンソー製DIU―A011、三菱電機製EP―E216SBG、矢崎エナジーシステム製ETC―YP200、同YD201)
ETC2.0の利用情報を付加した、より詳細な運行管理ができることから、デジタル運行記録計との連携についても注目が集まっている。弊紙調べ(4月末現在)では、パナソニックは連動不可、デンソーは自社製品および富士通と連動可で、矢崎エナジーシステムは自社製品のみ連動するということだった。三菱電機製車載器の販売代理店担当者によると、「矢崎エナジーシステムと光英システム製との連携が不可ということは確認済みで、ほかのメーカーについては現在確認中」としている。ETCコーポレートカードの契約者に対する助成手続きの案内は、6月以降をめどに順次書面で案内するとされているが、「これらの申請前に、はっきりするはずだ」とも話していた。
車載器の機能で差別化を図ることが難しいため、販売価格については各社3万円前後で落ち着くとの見方だ。導入時期について、パナソニック、デンソー、三菱電機の販売代理店の担当者に質問すると「それぞれの会社の状況、利用額に応じて」と同様の回答があったが、「ETC2.0対応の車載器を搭載した車両が、都心を通らずに迂回して圏央道を利用した場合、圏央道利用分から2割引されたり、大口・多頻度割引の最大割引率50%が維持されるメリットは大きい」として、高速道路の利用額が月3万円を超える事業者については、早期の導入を薦めている。この記事へのコメント
関連記事
-
-
-
-
「物流ニュース」の 月別記事一覧
-
「物流ニュース」の新着記事
-
物流メルマガ