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物流ニュース
物流改善事務所 黒澤社長 「収支日計」を推奨
2016年10月7日
物流改善事務所(大阪府吹田市)の黒澤明社長は、運送会社が経営に取り入れるべき指標として、車両ごとの原価や生み出した利益を日別で管理する「収支日計」を推奨している。
人件費はもちろん、車両費や運行3費、保険料など、すべての経費を計算し、1日あたりの配送原価を算出。予測できる月間売り上げをもとにした1日あたりの運賃と比較し、利益が出ているかどうかを日々チェックする。「損益がマイナスであれば、その時点で対策が講じられるようになり、経営改善のスピードが向上する」。
同社長は、「収支日計は、経営のベースとなるもので、導入したからといって、すぐに儲かり出すというものではない」とし、「経営上の問題点をあぶり出し、運賃が安いなど仕事の取り方が悪いのか、経費の使い方がおかしいのか、何が悪いのかを明らかにしてくれるツール」と説明する。
「問題点が分からないまま進んでいくことが運送経営では一番怖い」とし、「課題をあぶり出すのは痛みを伴うが、早い時期に対処しておかないと、10年後に大変なことになる」と話す。
導入に際し、「役員や配車マン、ドライバーから反発を受けることも多々ある」が、「これは『皆さんのためにやっている』ということを伝えている」という。
たとえば、「多くの配車マンは『自分は正しく評価されていない』という不満を抱えている。評価基準がなく、『お前はがんばっている、がんばっていない』といった、社長の主観的な思いだけで判断されているからだ。会社として、その従業員がヒットを打ったのか、3振だったのかどうかを判定してあげる仕組みを作ることが重要」。車両ごとの売り上げや利益を明らかにすることで、「公平に評価でき、赤字なら『明日はもっとがんばろう』という気持ちを持たせることができる」。また、車両ごとの数字を出すことで、「無理に荷物を付けて全車両を走らせるより、休ませた方が良いという判断もできるようになる」とも。
同社長は「例えるなら、経営にカーナビが付いているかいないかの違い」と「収支日計」の意義を説明し、早期の導入を促す。この記事へのコメント
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