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    進まない社保加入 中核担うドライバーが難色示す

    2010年11月15日

     
     
     

     社保未加入の罰則が強化されたことによって、同問題に取り組む物流事業者の意識は大きく変わろうとしている。コンプライアンスの徹底が求められる中、加入を進める事業者が増加。加入事業者からすれば、「これまで加入していなかったことがおかしい」との批判の声が聞かれるが、現場では社保加入をめぐる労使問題に悩む事業者の存在もあるようだ。



     「社保加入を進めているが、現状ではすべて加入までいかず、一部未加入のままだ」と打ち明ける千葉県の物流事業者。同社は、適正化機関の巡回指導を受けた際に、社保未加入を指摘され改善に乗り出した。社保の一部未加入の初違反が10日車、再違反では30日車、全部未加入の初違反は30日車、再違反が90日車の車両停止処分を受けることになる。

     こうした罰則強化に、同社も「もう改善しなければならない」という危機感を抱いていたところに、「適正化の巡回指導が入ったため、覚悟を決めた」という同社長は、社保加入を進めた。

     まずはドライバーへの説明だが、「罰則が強化されたこと、それによって会社が行政処分を受けることを話した上で、保険加入を進める」と話した。二十数人いるドライバーのほとんどが理解を示したものの、数人が難色を示した。それは同社のベテランで、中枢を担っているドライバーだった。

     「国保で十分。いまさら加入したくもないし、加入してももらえる年金はたかが知れている」と、加入反対を主張するドライバーに何回も説得を試みた同社長だが、「戦力外の人材なら解雇を強く言えるが、会社の軸であるドライバーに強くは言えない」のが現状で、同社長はそれ以上の説得はやめ、言葉を濁した。

     「確かに義務である以上、加入しなければならないし、行政処分を受ける以上、守らないといけないが…」と話すが、一方で「飲酒運転ならまだしも、社会保険に加入しないからといって解雇を迫るのは…」と、加入の徹底を図れない実情を打ち明ける。その上で、「社保加入を迫って、いい人材を失うのであれば、車両停止処分というリスクを抱えたままで経営していったほうが現状では得策」だと話す。

     同社では、新しく雇用するドライバーにはすべて社保加入を行うが、在籍する数人のドライバーは未加入のままで続けざるを得ない状況で、「悩ましいが一部未加入の改善は現状では難しい」とし、「実際に監査に入られ、行政処分を受けた時に、ドライバーの意識の変化を促すしかないかなあ」とこぼしている。(高田直樹)

     
     
     
     
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