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傭車が見つからず… 軽トラかき集める
2014年2月19日
昨年12月、運送業界では通常の繁忙期に加え、消費増税前の駆け込み需要やトラックの減車の影響などで大幅に車両不足に陥った。大阪―東京間では片道20万円という運賃情報も飛び交っていたが、それでもトラックを見つけるのは困難だったようだ。直荷を持っているところは各事業者とも「穴をあけられない」と赤字覚悟でトラックを探していたが、中には軽トラックをかき集め、荷物を分散させて積載し、無事に荷物を届けたところもあった。
大阪のある運送事業者では昨年12月21日、長年取引している得意先から150才の荷物を運んでほしいと頼まれた。行き先は仙台。通常は混載用の荷物として傭車に出すが、傭車はどこを当たっても全く見つからない状況だった。自社便もすべて出払っており、配送の目途が立たない中で見つけたのは軽貨物事業者だった。しかし、軽トラック1台では積載できない量であり、電話をかけ続け、あと2台を何とか確保した。一方で、仙台行きの混載便のトラックも夕方ぎりぎりの時間まで探すが、やはり軽トラ業者にとってもかつてない稼ぎ時のようで、他に運賃の高い仕事が見つかれば、そこに行く用意ができており、そのため運送会社は軽トラ3台に「夕方まで待っておいてくれ」と待つように指示。夕方までに万一、一般のトラックが見つかり、軽トラ業者に仕事が出せない場合に備えて補償料として1台につき2万円の料金を支払うことを約束した。
結局、夕方6時まで粘ったが一般のトラックは見つからず、3台の軽トラに荷物を50才ずつ分散させて運送。翌朝8時には無事に仙台の下ろし先に荷物が届けられた。運賃は1台あたり10万円。3台で計30万円。通常は混載便で5、6万円の運賃だという。
運送会社社長は、「『ないものはない』と開き直る事業者もいたが、直のお客さんの荷物が届かないとなれば会社の信用問題に関わってくる。設立以来、穴をあけたことがないのがうちのモットー。最悪、新幹線でも使って荷物を届けるつもりだった」と話す。また、「4月の消費増税前にもうひと山来る話は聞いている。今回のように慌てないためにも準備しておかなければ」と話していた。
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