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人材確保に混迷…悪質な人材を雇用「病院で虚偽の診断書」
2014年9月4日
トラック業界を取り巻く環境は依然として厳しく、人材の確保も難しくなってきている。その中で、面接に来た人材をすぐに正社員として雇用し、労務トラブルや労災事故トラブルなどを引き起こされてしまうケースもあるようだ。
大阪府の運送事業者は、ハローワークの募集で面接に来た人材を採用し、労災事故トラブルになったという。同社は、採用した人材を正社員にする前に1週間の試用期間を設けている。しかし、横乗りさせた従業員全員から「仕事が遅い」「話を全くしない」など、評価が良くなかったため、正社員での採用は止めようと同社長は考えていたという。しかし、繁忙期でドライバー不足だったため、その従業員を試用期間の最終日に1人でトラックに乗せて仕事をさせた。そして、仕事を終えて会社に戻ってきた同ドライバーに、「仕事中に指を挟んでしまったので病院に行かせて欲しい」と言われたという。
健康診断などを行っている会社指定の病院に行くように指示したが、同ドライバーは「自分が通っている、いつもの病院に行く」と断り、その後、診断書を持ってきた。診断結果は全治1週間程度の怪我とのこと。本来なら試用期間の最終日に正社員での採用を断ろうとしていたが、怪我をしたと言われたため、断ることができなくなってしまったという。
仕方なく様子を見ることにしたが、同ドライバーは後日に病院に行き、今度は全治1か月の診断書を持ってきた。同社長は不審に思い、会社指定の病院で診断させた。診断結果は、指を怪我したことは事実だが、同社以外で働いていた時の古傷で、1か月の診断書を作成してもらっていたようだと医師から教えられた。同社長が問い詰めると同ドライバーは事実と認めたため、すぐに解雇し、給与の1か月分を払って合意書などを取って事なきを得たという。
同社長は、「行きつけの病院と手を組んで診断書を出してきたことに憤りを感じる。これからは必ず会社指定の病院に行ってもらい、しっかりと診断をしてもらうようにするしかない」とし、「人材不足だからといって誰でも安易に雇用していたら失敗してしまう」と語る。
面接に来た人材を即座に優良かそうでないかを見抜くのは難しいが、トラブルを避けて会社を守るためにも、慎重に雇用の手続きを取り、書類を整えないといけないのかもしれない。
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