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名義貸し行為、摘発増加 内部や周囲がリーク?
2017年7月14日
大阪府警による「名義貸し行為」の摘発が増えているという。一時期は運送業界で横行していたが、最近ではコンプライアンス強化の傾向から減少していると思われていたが、同府警ではここ1年で3件を摘発。摘発は会社やトラックを見ただけではわかりにくく、内部や、ごく近しい人物の告発があると考えられるという。「景気の低迷を背景に情報を警察に流しているのではないか」という声は少なくない。今後も同府警による「名義貸し行為」の摘発は続くと考えられ、業界内部の適正な事業経営が望まれている。
運送会社の「名義貸し行為」として、貨物自動車運送事業法違反(無許可営業)による大阪府警の摘発がここ1年間で増加している。昨夏、今春、そして今回は、大阪府摂津市の運送会社が無許可営業幇助で摘発された。名義貸し行為は少し前まで、運送会社で横行していると言われていたが、昨今では売り上げ減少と社会的規制強化、コンプライアンス強化から減少していると言われていた。しかし、ここ1年で大阪府警は3件を摘発している。名義貸し行為の摘発には時間と労力を要するにもかかわらず、府警では今年に入って既に2件の名義貸し行為を摘発していることから、業界関係者は「何が起こっているのか」との声も聞かれる。大阪市の運送A社は「今年に入って海コン事業者が名義貸し行為で摘発されたときは、単に『摘発されたのか』としか思わなかった。しかし、7月に入って一般雑貨の運送会社が摘発されるなど、府警の取り組みに驚いている。名義貸しは、会社や車両を見ただけでは判断しにくく、内部もしくは会社に詳しい人物の証言や情報が必要。景気動向や荷量の低下などが背景にあるのか、警察などに情報を提供しているのだろう」と話す。
また、海コン輸送や雑貨、鋼材を手掛ける堺市の運送B社は「運送業界では昔から名義貸しが横行していて、他社や内部からの告発などで明らかになり、警察が時間をかけて捜査して摘発に至る。今回のケースを踏まえて言えば、氷山の一角。まだまだ名義貸し行為は存在するだろう。当社でも取引のある会社で名義貸しと思われるケースや話を聞くことが多くなった。こういった事業者がきちんと運営してくれれば低運賃もなくなるのだが」と話している。
府警が次々と名義貸し行為で摘発していることについて、適正化実施機関の関係者は「ここ最近、我々をはじめ運輸局などの行政に協力要請として情報提供を求めてくるケースが増えている。府警も情報提供をきっかけに捜査に乗り出していると思われる。警察に摘発されれば、約半年後に労働基準局の調査、その後、数か月後に運輸局などによる監査となるため、最終的な処分も約半年から1年間は必要。今後も府警は情報提供があれば、それに基づいて捜査をしていくだろう」と説明している。府警の名義貸し行為での摘発は、今後も進められるという予想もあり、運送業界は今後、いっそう適正な事業運営に取り組む必要がある。
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