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ブログ・鈴木 邦成
国際物流インフラの強化
2009年10月28日
急がれる国際物流インフラの強化
門司海峡での衝突事故のニュースを耳にして、我が国の物流インフラを強化する必要があることを改めて感じました。
我が国の交通網、物流網は国内対応という点では決して諸外国に比べて見劣りするとは思いませんが、スーパーハブ空港や港湾の不在に代表されるように国際物流の視点から考えると、大きく見直す必要があるということでしょう。
部分最適からの脱却
セクショナリズムが横行すると、どうしても部分最適ばかりが目立ち、全体最適が達成しにくくなるようです。
企業にとっても、「大量に調達し、大量に生産し、大量に販売すれば、それぞれの部署は仕事をしている気になる」ということになるでしょう。
しかし、大量に調達すれば過剰な原材料在庫などをため込むことになりますし、大量生産ならば製品の過剰在庫に苦しむリスクも高まります。店舗に商品を積み上げれば、お客様の目を引くことはできますが、売れ残れば在庫の山を目にすることにもなりかねません。
地方に空港や港湾を多数、建設したことも地方活性化という視点では有効でしたが、国際物流を考えた場合は「部分最適に過ぎない」ということになったようです。
ただし全体最適を実現しようとすればあちこちから不満、不服の声もあがります。
スーパーハブ空港、港湾の実現が遅々として進まないのにはそうした理由もあるように思われます。 -
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筆者紹介
鈴木 邦成
物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。 -
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