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ブログ・野口 誠一
第101回:失敗しないための戒め15か条 他人を見抜く眼力を身につけろ
2004年11月4日
「失敗しないための戒め15か条」の第7条は、「他人を見抜く眼力を身につけろ」である。
経営者は社員・従業員はもとより、株主や取引先、金融機関、さらには消費者と、実に多くのステークホルダー(利害関係者)に取り巻かれ、その間の利害を調整しつつ企業を発展させていかなければならない。その責任の重さたるや察するに余りある。万一、ステークホルダーのどこかにアンバランスや損失が生ずれば、大企業の経営者ならたちまち退陣、中小企業なら倒産まであり得る。
たとえば消費者の利益を損なえば、その先には不買運動や損害賠償が待っているし、株主の利益を損なえば株主代表訴訟が待っている。まことに経営は厳しく、社長業は因果な商売と言っていい。そんな経営者であってみれば、常に身を慎み、視野を広げ、眼力を養うのは当然のことである。にもかかわらずだまされたり、かたられたり、詐欺にあったりと、人を見抜く眼のなさゆえに倒産を余儀なくされる中小企業経営者のなんと多いことか。わが会員の多くもその例外ではない。
昨年1年間の「振り込め詐欺」事件は2万5600件余りにのぼり、その被害総額は283億円を突破したという。が、検挙率はたったの5.1%止まりである。これは、詐欺の手口がいかに巧妙化しつつあるかの証左であろう。
「社長」はとかく詐欺師に狙われやすい。カネがある、手形がある、と思われているからである。お人好し社長や見栄っ張り社長がとくに狙われやすい。持ち上げられ、チヤホヤされ、悦に入っている間に鼻毛の数まで読まれ、手形をパクられてはじめて詐欺に気づく。そんな例は枚挙にいとまない。遊びはほどほどに、そして人を見抜く眼を、と言いたいゆえんである。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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