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ブログ・野口 誠一
第118回:夫の心得10か条 これからは何事も「妻と相談のうえで」を心がけよ
2004年12月23日
「逆境を乗り切る夫婦の心得20か条」のうち、「夫の心得10か条」の第7条は、「これからは何事も『妻と相談のうえで』を心がけよ」である。八起会へ相談にくる経営者は、たいてい夫婦同伴である。なかには奥さんに伴われて、というケースも珍しくない。どうも男は、とくに経営者は日頃いばっているせいか、恥かきベタのようである。
そうしたご夫婦の訴えを聞いていると、苦境を招く経営者には、どうも共通のタイプがあるように思われる。それは「ワンマン」「独裁先行」タイプであり、「人に相談しない(あるいは相談する相手を持たない)」「人の忠告に耳を傾けない」タイプである。
そういうタイプだけに、ほとんどの奥さんにとって倒産(およびその危機)は寝耳に水と言っていい。何の相談も受けず、あまりに様子がおかしいので、たまに「会社、どうかしましたか」などと問おうものなら、「会社のことに口を出すな」と叱られてきたあげく倒産では、奥さんもやりきれない。
八起会では「奥さんがNOと言ったらやめましょう」というのが金科玉条の1つである。それは、奥さんの判断のほうが優れているという意味ではない。ご主人の性質、性癖、能力を一番よく知り、ご主人の成功と幸福を一番願ってやまないのが奥さんに他ならないからである。
奥さんは、そういう大局地的見地や愛情から判断を下す。世の中で一番間違いない判断は、愛情に基づく判断と言っていい。
逆に、ソクラテスが指摘したように、一番難しいのが「己を知る」ことである。経営者の自己判断は、ともすれば欲、見栄、過信などに足を引っ張られやすい。そこをチェックできるのは「夫のすべて」を知る妻だけである。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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