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ブログ・お勧めビジネス書レビュー
「儲かる会社」の朝の習慣 (小西正行・著、中経出版)
2009年4月23日
儲かる会社が実践しているのは「朝礼」と「そうじ」…こう説くのは、組織改革・人材育成に関するコンサルティングを展開するソリューション(東京都港区)の小西正行代表。そうじという、「誰にも続けられるようなことを、誰もが続けられないくらいに徹底して続ける」ことの大切さ。そして、それすらできない会社に業績アップや新規顧客の開拓などできるはずはないと言い切る。これは、同氏の経営者としての実体験に基づく持論だ。
同氏は平成9年、大阪でリフォーム会社・スペースアップを立ち上げる。当初は歩合給制度・売上至上主義についていけず、離職する者が後を絶たなかったという。
「もともとリフォームは離職率の高い業界。『そんなもんや』と思っていたが、異業種のデータを見るとそうではない。このままではいけないと危機感を感じた」
同氏は思い切った行動に出た。「歩合給の廃止」、「新卒社員の採用」、そして「理念経営」だ。顧客、協力業者、社員、そして会社の幸福を追求するという「Four Happiness」を理念として掲げた。
いきなりの方向転換に、既存社員は戸惑いを見せた。25名いた社員が8名まで減ったという。同氏は、「半ば無理やりだった」と当時のやり方を振り返るが、その後、同社は社員数・売上ともに順調に伸ばしていくこととなる。
「理念とは一言で言えば『会社の存在意義、永遠に追い求めるもの』で、永続的な会社には必ずある。そして、ただ理念を作るだけではダメで、それを共有する必要がある。マラソンと同じで、社長がいくら『がんばれ、がんばれ』といくら旗を振っても、社員たちは『どこまで、何のために走るのか』が分からないとがんばることができない」
同著では、この「理念の共有」に「朝礼」が有効だと説く。同著の中では朝礼の中で行われる具体的なメニューが紹介されている。「理念やビジョンの唱和」で社員への理念の浸透を促し、「決意(目標)の宣言」で社員のやる気を引き出す。
「自社の中に教育訓練の場を設けるには、朝礼が最適。毎日30分やれば、1か月で125時間を確保できる。スペースアップでは実際、社員の成長スピードが格段に早くなり、同じ方向を見据えて仕事ができるようになった」
これらの経験を活かして平成18年にソリューションを設立し、「人と組織に専門特化したコンサル会社」として、「日本中の企業を元気に!」を企業理念にコンサルティングを提供。セミナーには多くの経営者が参加する。また、いまでは新卒採用でも人気の会社だ。
「やり遂げたいことがあっても、一人では限界がある。会社は『みんなで取り組むことができる』場所。良い習慣を身につけて、3―4年続けていけば人も変わるし会社も伸びる。まずは伸びるための水を与えていくところから始めること」
▼「『儲かる会社』の朝の習慣」、小西正行・著、中経出版、1429円(税別)
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