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ブログ・船井総研ロジ
第31回:CO2排出量ビジネス
2009年11月10日
物流企業が、現在の地球温暖化抑制の時流に適応したビジネスを志向する際に、押さえておかなくてはならないことが、「CO2排出権(取引)ビジネスとCO2排出量(削減)ビジネスは違う」ということです。
前者は、排出権取引制度に基づいたビジネスです。排出権取引制度とは、企業に対して、温室効果ガスの排出目標を定めると同時に、排出する権利(排出権)の企業間での取引を認める制度です。削減コストが安い企業が多く削減し、削減コストが高い企業に排出権を売ることで、社会全体で費用効率的に温室効果ガスの排出削減を可能とするのです。
(船井総研 橋本直行)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年7月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
後者は、顧客の排出している温室効果ガス(以下、CO2)の量を減らす策を施し、報酬を得るビジネスです。省エネにつながる企画は、結果としてCO2の削減につながります。よって、物流効率化策の提案も、CO2排出量ビジネスのアプローチのひとつであると言えます。
それでは、物流企業が今、積極的に取り組むべきビジネスはどちらでしょうか?それは、もちろん後者のCO2排出量ビジネスです。業種特性を活かしたよい提案ができます。
CO2排出量ビジネスとは、言い換えれば、「すべてのビジネス過程で発生するエネルギーを削減する施策を顧客に提案していくビジネス」です。具体的には、電気、油、ガス、水のそれぞれの使用量、および廃棄物の排出量を削減してあげるビジネスです。
例えば、電気の使用量は蛍光灯からLEDに付け替えれば、大幅に削減されます。油は、物流効率化で使用量が減りますし、バイオ燃料を導入すればエネルギー対CO2排出量はほぼゼロ換算されます。
また、本連載の先の号でも述べた廃棄物削減の施策を実行すれば、併せてCO2も削減されることになります。
要は、コストが下がってCO2も削減される提案を、物流効率化だけに固執せずにしていくということです。ポイントは、CO2削減策とは、電気、油、ガス、水、廃棄物のいずれかの削減策に当たるということです。この記事へのコメント
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筆者紹介
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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