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ブログ・船井総研ロジ
第50回:売上昨年対比70%からの挑戦
2010年4月6日
売上が昨年対比70%という数値が各社に響いております。
これは私が担当している廃棄物処理業界の世界では、ごく一般的な数値として2008年10月以降の数値として現れております。健闘している企業でも昨対90%程度となり、酷いところでは60%の数値までとなっております。それは地域による景気差もあり、また顧客筋の業種、建設系や工場系などの扱いの差ともなっております。いわば、売上が下がっても当たり前と外的要素を理由にしがちなものです。つまり外部要因であるから仕方がないとなっております。
しかし、その原因が何たるかを分析しますと、幾つかの起こるべくして起きてしまった要因も見えてきます。
ひとつに昨年の資源高騰時に計上された決算数値は、資源売却益が殆どであったこと。その改善を真剣に取り組まず、わかっていても先送りされたこと。
また、顧客を変えられなかったこと。今回は顧客筋の生産減であり、また一般個人の消費不況であり仕方が無いと考えている方も多いものです。業界内の仲間達の関係にて遠慮をしたり、営業ができていなかったりで、顧客をどうしようとする根本が無かったことが多かったものです。
しかし、本当に仕方が無いことだったのでしょうか。変えるチャンスは存在していました。
多くの企業で見られていることに、将来の投資が明確になかったことでしょう。ここで言う将来の投資とは、勝算のある計画的な投資です。事業も然り、人や組織も然り、スティングパワーを蓄積させられなかったことではないのでしょうか。このような時代だからこそ、攻めの経費と守りの経費は分けて動いて頂きたいですね。
去る2月24日、アメリカはオバマ大統領の施政方針演説ではこのように語れていました。
「我々の経済は一夜にして傾いたのではない。短期的な利益が長期的な繁栄より重視される時代を過ごしてきた。黒字が出ても未来へ投資する機会と捉えず、富める者にさらに富を移す口実にした。・・・重要な論議や難しい決定は後回しにされた」
「今は大胆かつ賢明に行動し、経済再生のみならず永続的繁栄の基礎を築く時期だ」
まさしく今の日本の企業にも同じことかもしれませんね。今度こそ繰り返してはなりません。
(株式会社船井総合研究所 貴船 隆宣)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は09年04月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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