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ブログ・野口 誠一
第266回:動き始めた「八起会」
2010年4月30日
ようやく八起会の運営が軌道に乗り出した。
活動の大きな柱は2本。1本は倒産駆込寺と「倒産110番」を通して、倒産者やその予備軍の人生相談、経営相談に乗ることである。
必要に応じて顧問の公認会計士ともども再建計画をつくったり、どうしても見通しの立たないときは、顧問の弁護士を通して法的整理に入ったりと、1件でも多く倒産を防ぐとともに、たとえ倒産しても悲劇の広がりにストップをかける活動である。
その駆込寺の看板は「盡くして盡くして忘れる」である。これは『文選』のなかにある「人に施しては慎んで念うなかれ、施しを受けては慎んで忘るるなかれ」(人に施した恩は忘れろ、人から受けた恩は忘れるな)とある前半の部分を、私なりに解釈してモットーとしたものである。
もう1本の柱は、八起・再起道場である。八起会はもともと、倒産者が相つどい、励まし合い、情報を交換し合い、再起を目指そうという会だった。それがいよいよ本格的に始動し、再起へ向けて勉強会が始まっていく。
その道場の看板は「励んで努めて心の再起」である。その真意は、形の再起(経営者への返り咲き)よりも、まずは心の再起から始めようということにほかならない。
倒産を招いたのは誰でもない。自分自身である。まずはそこを認め、反省し、何が欠けていたかを徹底的に分析し、二度と失敗しないために心の修行から始めようという趣旨である。倒産は経営上の失敗であって、人生すべての失敗ではない。その失敗を反省し、改め、足らざるを補えば、再起は可能である。
私たちはあらゆる分野の専門家を講師に招き、勉強を重ねた。そして多くの会員が道場を卒業していった。彼らに二度と倒産はない。骨折した個所が再び折れることはないのだから。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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