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ブログ・野口 誠一
第293回:経営者は真剣に生きる
2010年11月12日
八起会創立30周年記念セミナーの体験発表は終わった。各人各様に辛い「倒産」体験がある。できれば思い出したくない、触れたくない、ましてや人前で発表するなどもってのほか、というのが常識であろう。が、前回まで紹介した5人は、勇気と愛情をもってその常識を乗り越えてくれた。自分たちの体験発表が、いま苦境にある経営者やその家族たちの参考になるならば……という一心からである。その一心は当日来場した大勢の聴衆に通じた。熱心に、ときにハンカチで涙を拭いながら耳を傾ける聴衆の姿に、私はそのことを確信した。5人の勇気と愛情に、心から感謝と敬意を表したい。
最後に、長年にわたって八起会を支えて下さった顧問の先生方に、短いメッセージをいただいた。1人は公認会計士の小松隆雄先生、もう1人は弁護士の清水徹先生である。その2人のメッセージを紹介しよう。
ーー公認会計士の小松です。八起会の顧問になってもう24年も経ちます。実は、会社というのは潰れるようにできているんですね。いかに優秀な経営者でも、いくら切れ者の経営者でも、時代の変化、経済の変化などによってあっけなく潰れてしまう。いまの時代、珍しいことではありません。
そんななかで、長らく八起会にかかわってきてつくづく感ずることがあります。それは、経営者の方々はサラリーマンに比べ、真剣に生きている部分があるということです。むろん、お金に追われているということもありましょうが、それだけでなく、家族の問題や従業員の問題に対して、真剣に取り組んでいるように思います。
それは八起会の会員も同様でして、私はそういうところに共感し、知らず知らずのうちに24年間も、顧問としてかかわってきたわけです。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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