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ブログ・船井総研ロジ
第85回:農業に期待される物流のノウハウ
2011年1月11日
私は船井総研の中で「農業」と言う分野で仕事をしておりますが、この1年ほど、「農業」が世間で取り上げられ、話題になった事はありませんでした。その背景としては、昨今の自然回帰、地産地消のブームなどもあるのでしょうが、私としては「農地法の改正」が大きかったのではないかと思います。
「農地法」聞きなれない言葉かもしれませんが、これは農地の売買、賃貸借について定めた法律で、いわば農家がその土地を売る事や貸す事をしようと思ったら(農業委員会という)偉い人の許可が必要という法律です。事実上これが農業への参入を難しくし非農家が農地を所有する事を不可能にしていました。
つまり、もともと農地を持たない人が農業を始めたいと思っても、農地を準備するのはかなり難しかったのです。しかしながらこの法律が改正される事が2009年6月に可決。農業をしたいという個人、法人に門戸を開放する事となりました。よってイオングループによるイオンファームの設立やトヨタグループである豊田通商の子会社がパプリカの生産に乗り出すなど、まさになど日本を代表する企業がこの市場へと乗り出しました。
しかし農業をビジネスとして成立させようと思ったら、まだまだ乗り越えねばならない壁は山積しております。そのひとつが出来た農産物をどう消費者に届けるかの「物流の問題」です。
例えば私の知る新規就農者は、出来た農産物を都会の飲食店に出荷するのに宅配業者を使っています。結果として非常に高い運賃を強いられているのです。JAのように確立した物流のシステムを持たない彼らが生鮮品を運のは大変です。たとえ、大企業といえども、この課題は難しい。
むしろこれから、農業という分野では物流業界の方の知恵を必要としている段階なのです。
(株式会社船井総合研究所・楠元武久)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は10年1月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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