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ブログ・船井総研ロジ
第114回:「日本版スマートグリッド」はビジネスチャンス
2011年10月18日
米国、オバマ大統領が提唱したグリーン・ニューディール政策の一環として、「スマートグリッド」という構想が先進国をはじめ新興国でも進められています。これは、一言でいえば「IT技術を使用して電力エネルギーのネットワークを効率的に運用する」というものです。
情報通信と送電網の融合、これらの巨大インフラ整備が「スマートグリッド」ですが、日本では、送電網は光ファイバーが併設され、断線個所を自動的に特定して停電を復旧するなど、既に「スマートグリッド」になっている。このような見方が一般的です。
先進国、新興国が「スマートグリッド」を推進させる目的は様々です。米国では老朽化した電力網の更新、保全コストを抑制するなどの狙いがあります。一方、急成長するインドやブラジルなどでは、エネルギー需要の拡大を充足、盗電を含むロスを削減する目的があります。また、環境先進国オランダでは、太陽光発電など再生可能エネルギーを積極的に導入。そして中国では、「スマートグリッド」により、エネルギーインフラだけでなく、生活、ビジネス、交通なども含む社会システムを整備するといった狙いがあります。
「スマートグリッド不要論」の考えが広まりつつある日本ですが、環境先進国オランダと同様の日本版モデルが今後形成されていくと考えられます。
現在、スマートグリッドを巡る当事者として一部の地方自治体が名乗りを上げています。今後は、「エネルギーの地産地消」をテーマに地域に根ざしたバイオマス発電や太陽電池、燃料電池などをつないだ送電網が整備される可能性が広がっています。「スマートグリッド」により、IT産業をはじめ家電、建築・不動産、自動車産業などへの波及効果が高くなり、住宅・ビルなどへの電源コントロール設備や太陽光発電、蓄電施設、電気・ハイブリッド自動車用電源への展開など、ビジネスの広がりが今後期待されています。物流業界でも「スマートグリッド」がビジネス拡大の転機となる時が目前に迫っている可能性があります。
(株式会社船井総合研究所・岡崎聡志)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は10年11月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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