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ブログ・船井総研ロジ
第123回:動脈・静脈物流体制を築く
2011年12月20日
私の前回の記事で、「廃棄物の収集運搬業を事業付加する」というタイトルで物流企業様が一般貨物運送事業と併せ、廃棄物の収集運搬事業も行い、動脈・静脈物流体制を築くべきであるという内容をお伝えいたしました。
そんな中、関東地盤のスーパーのベイシアの食品リサイクルの取り組みについて、動脈・静脈物流を担った食品卸大手の日本アクセスの内容も併せて昨年11月にプレスリリースされました。
この取組みは、ベイシアの店舗に商品を届ける日本アクセス様のトラックがそのまま店の食品残さを持ち帰り、家畜の飼料へ回すと共に、その飼料で育てた豚をベイシアが豚肉の形で仕入れて販売する「食品リサイクルループ」という認定制度を活用した取組みです。この取組みは、動脈物流と静脈物流が一体となったものであり、物流企業が静脈物流に参入したモデルと言って良いでしょう。
この食品リサイクルループの認定企業ですが、昨年はベイシアの件も含め11社ありました。食品リサイクル法が平成19年に改正されて以降、認定数が最も多い年であったことは注目すべき点です。また、この食品リサイクルループの主となる事業者は圧倒的に食品小売業(スーパー)であることから、荷主や配送先が食品リサイクルループへの取り組みに積極的になっていることが昨年の認定数によりご理解頂けるかと思います。
物流企業は、この食品リサイクルループの制度の中で3者間のパイプ役になる物流機能にて役割を果たすことができ、併せて制度が構築された中で動脈・静脈物流事業ができれば同業者と差別化でき、競争なくして事業が展開できるでしょう。
「同業他社と圧倒的に差別化した物流事業とは何か?」。その答えの一つとして、食品リサイクルループが活用できることはまだ知られていないようです。
(株式会社船井総合研究所・下川譲)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は11年2月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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