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    「竹尾湾岸物流センター」フリーロケーションで高効率実現

    2008年1月24日

     
     
     

     多くの倉庫が集積する東京湾岸部の若洲地区に、白く輝き、ひときわ目をひく物流倉庫がある。紙の専門商社・竹尾(東京都千代田区)の「竹尾湾岸物流センター」だ。
     「白を基調とし、自然光を取り入れる」ことをデザインコンセプトとした同センターは、オフィス部分をガラス張りにするなど、他ではなかなか見られない造り。外装は紙の「見本帳」をモチーフにするなど、ユニークな配慮が至るところになされている。昨年10月で開設1年を迎えた同センターについて、同社グループの第二西北紙流通デポの富田典夫専務に話を聞いた。


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    「紙の見本帳」をモチーフにした、洗練された外観
     竹尾が扱うのは、本の表紙やカバー、菓子のパッケージ、レターセットなどに使われる「付加価値の高い」、いわゆる特殊紙(ファインペーパー)と呼ばれるもの。同センターでは、加工前の原紙(1m四方)を1枚単位から出荷している。取り扱うアイテムは約9000アイテムで、「多品種小ロット」なのが特徴。同業者が直接引き取りに来るケースと、同社が配送を行うケースがある。
     センターを設計するにあたり、自動的に収納される棚が決まる「フリーロケーション」を導入。残り枚数に則した棚を選択して収納することで、デッドスペースが最小限となるよう工夫されている。また、自動倉庫とピッキングレーンの間には、17台のSTV(Sorting Transfer Vehicle)が周回。出荷する商品をピッキングレーンに移動させ、ピッキングが終了すると格納すべき棚へと自動的に戻る仕組みになっている。
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    センター内では、17台の「STV」が稼働
     ピッキングレーンは全部で12。出荷専門のレーンと、入出荷の両方ができるレーンに分かれている。その隣に広がるのが荷さばき場。ピッキングが終了し、引き取りや配送を待つ商品が方向別に並べられる。「動作が交差しない」ように、ピッキングレーンからトラックバースへの動線が一直線になるよう設計されているのが特徴だ。また、柱にレーンの番号を大きく書く「サインシステム」により、さらに動線を明確にしている。
     「紙の倉庫」に関して、40年余りの歴史を持つ同社。センター運営手法については、「常により良いものを求めて改善を重ねてきた」。その集大成と呼べる同センターは、「『世界一の紙の拠点』を作りたい」という思いのもと、効率性・デザイン性を両立させる形に設計されている。
     同専務は、センター開設で得られたメリットとして「荷物を引き取りに来るお客様からの評価も、以前に比べると上がった」とし、徹底した自動化や、見やすいサインにより「作業スタッフの安全性も高まった」ことも加える。
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    富田典夫専務
    ■充実したアメニティ施設も
     種類、色、厚みなどによって品目が変わるなど、同社のピッキング作業には、熟練の技と非常に細やかな神経が求められる。そのため、ハイレベルな自動倉庫やマテハン類を導入しても、「完全省人化は不可能」(富田典夫専務)。現在、作業スタッフとしては23人が在籍し、庫内業務に従事している。
     彼らが「常に安全な状態で仕事ができる」ように、同センターではアメニティ施設の充実にも気が配られている。昼間は食堂、そのほかにも打ち合わせや会議などに使われるコミュニケーションルーム「フジ」は、全面ガラス張りのスペース。「天気の良い日は富士山も見える」とし、従業員にも好評という。また、畳張りの休憩室も設置し、なおかつ「シャワー室も完備している」という徹底ぶりだ。
     また、一階の受付脇には、引き取りに来た顧客や、配送事業者が待機するためのスペースも。特に、配送ドライバーに関しては、「長い付き合いの事業者が多い。当社の社員と同じぐらいの気持ちで接している」。
     なお、同センターを見学していると、現場スタッフからのあいさつの声が飛び交う。同専務は、「お客様も多くいらっしゃるのが当センターの特徴。5Sは徹底している」と当然のように話す。
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    畳張りの休憩室で、体を休めることができる
    ◎関連リンク→竹尾

     
     
     
     
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