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ブログ・馬場 栄
第13回:退職時の大事なポイント
2013年11月7日
多くの経営者から「社員がなかなか長続きしない」とか、「サラリーマンドライバーが増えて要求ばかりされる」という声を耳にします。ある古参の経営者の方とお話しした時に、「昔は休日に仕事が入ると、ドライバーが我れ先に仕事を求めたけど、今は誰も手を上げない」と嘆いておられました。
ドライバーもサラリーマン感覚の方が増えている現状を考えると、運輸業界もこのようなサラリーマンドライバーに対応する術を検討していかなければいけないでしょう。先日、ある経営者から相談を受けた事例で、ドライバーが自己都合で辞めたのに、ハローワークから「クビにしたのでは?」と連絡が入ったそうです。なぜこのようなことが起こるのかというと、自己都合だと3か月は失業保険が受けられませんが、解雇や会社都合であれば、すぐに受けられるので、そのような申し出をする方がいるのです。
では、会社は『会社都合』の変更に応じなければならないのでしょうか。当然、応じる必要はありませんが、退職届を取っていない場合、注意する必要があります。
退職届とは、労働者自ら労働契約解除の意思表示ですから、これがあれば応じる必要はありませんが、なければ「クビにされたから退職届は出していない」となってしまう可能性もあります。仮に労働基準監督署へ駆け込まれ、解雇になったとなれば、解雇権の濫用だと問題が大きく発展しかねません。
そこで、私は経営者に必ず「退職届は雛形を作っておいてください」とお話ししております。社員から退職の意思表示があったら、真っ先に退職届を取って頂いております。退職届は全て直筆でなくても問題ありません。作成のポイントは、大半は会社側で記載しておくのですが、(1)退職を申し出た日(2)退職日(予定日)(3)署名(4)捺印──の4点だけは本人に書いて頂くのです。直筆の箇所が全くないと、意思表示していないと言われる可能性もあるからです。次回も退職時の注意点をお話します。
(保険サービスシステム株式会社・社会保険労務士・馬場栄) -
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筆者紹介
馬場 栄
保険サービスシステム株式会社 社会保険労務士
年間約300社の経営者の相談・アドバイスを行っている。中小企業の就業規則や残業代など、幅広い労務管理のアドバイスに高い評価を得ている。 -
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