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ブログ・船井総研ロジ
第11回:廃棄物処理ビジネスの現状
2009年6月15日
2010年7兆円、2020年10兆円、関連ビジネスを加えると20兆円にもなるのが廃棄物処理・リサイクルビジネスです。上場している企業は数社しかありません、市場規模はあってもガリバーが存在しておらず、地域レベルが頑張っている業界です。物流業界の方々にとって、同じく運搬に伴うビジネスでもあり、身近に感じられる方も多いと思われますが、動脈ビジネスに対する静脈ビジネスとは市場が拡大し続ける魅力あるものかもしれません。ここ数年参入も増えていますが、今回は幾つかの成功の為のポイントの内2点おさえておきたいと思います。
先ずは収集運搬単独での戦いは厳しくなっていくということをお伝えしたいと思います。許認可業であることから、設備(ハード)が成功の要因であったことも多かったのがこの業界です。幾つかの条件が揃わなければ設備を造ることが難しかったために、設備神話が続いていたのです。しかし近年は、リサイクルは当たり前であり、加えて安全と安心の訴求となっています。そしてその能力を最大限発揮できるオペレーション技術は不可欠です。つまり単なる運ぶだけや処理するだけでは、ビジネスが厳しくなってきているのです。既存の勝ち組廃棄物業者は、現在その為の仕組を構築しています。
現在、商社や資源系の関連業種等の異業種参入も相次いでいますが、大規模資本による大型施設展開と、既存業者による他地域での施設展開も目立つようになってきました。
しかし一方地方では、自社の設備拡大による品目増加の設備投資も続いています。ここで重要なことはマーケティング発想です。地方での市場が小さな場所では、少ない品目では顧客訴求が弱くなりがちです。それ故に客単価アップとして、処理業としてだけでなく、更に付帯サービスとしての清掃業務や解体業務、再資源化業務、片付け業務等に発展していっています。言わば総合環境企業としての変身が進んでいるのです。
一方、都市部では専門化として、圧倒的な差別化設備にて大きな商圏を狙い拡大しています。どちらも間違いではなく、自社に合った力相応の戦い方となっているのです。
今後も拡大が続く魅力ある市場ではありますが、参入に関しては常に時流を冷静に読み取り、自社の戦い方を選んで頂ければと考えています。
(株式会社船井総合研究所 環境ビジネスコンサルティンググループ 貴船 隆宣)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年5月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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