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ブログ・船井総研ロジ
第14回:鉄・非鉄リサイクルビジネス
2009年7月7日
今回は鉄・非鉄リサイクルビジネスの大変革についてご紹介します。鉄・非鉄リサイクルビジネスとは建設現場や工場から発生する鉄屑、銅線屑、アルミ屑や飲料容器であるカンなど金属屑を回収し再利用できるように分別・加工し鋼材原料として販売するビジネスです。近年、物流業界をはじめ異業種からの新規参入が何社もありました。
ここ数年中国を始めとするアジアやブラジル、ロシア、インドなど後進国が急激に経済成長し鋼材の需要が大幅に増加しました。そのため鉄・非鉄屑の価格が急騰し売上が倍々ゲームで伸び過去最高益を3、4期連続して更新する企業もありました。そんな中、大変革が起きました。ここ数ヶ月は大赤字を出し経営が悪化している企業が少なくありません。
そのような現象がおきてしまった原因は大きく3つあります。(1)発生量の減少、(2)需要の減少、(3)販売価格の下落、の3つです。
(1)発生量の減少
物流業と同じく鉄・非鉄屑の発生量は景気に大きく左右されます。建設工事の減少、自動車工場を始めとした製造業における生産量の減少により今年始め頃から徐々に減速がはじまり現在急速にその速度が速まっております。
(2)需要の減少
サブプライムローンを発端に先進国の急激な経済悪化とともに後進国の勢いも減速してしまい、経済成長率が先進国も後進国ともに下落しました。それに伴い鋼材の需要が減少し、鉄・非鉄屑の需要も減少してしまいました。
(3)販売価格の下落
北京オリンピック終了後、鉄・非鉄屑の需要が急速に減少しました。鉄屑では価格が2週間で約半分に下落という過去にない短期間での下げ幅を記録しました。
このように経済と直結している点は物流業界と同じです。経営に影響する価格下落はまだ始まったばかりで、今後も厳しい下落局面が続き淘汰される企業が出てくると予想されております。私も何社かこの業界の経営コンサルをしておりますが、今までのビジネスモデルだけでは淘汰の波に飲まれてしまうと肌で感じています。結局どの業界も同じですが、未来を予想し自社にあった新しいビジネスモデルを作り上げることがビジネスの成功の鍵になるでしょう。
(株式会社船井総合研究所 環境ビジネスコンサルティンググループ 中島 健)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年6月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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