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ブログ・船井総研ロジ
第23回:参入しやすい農業分野
2009年9月15日
現在、市場ニーズは、サービス業、代行業といった3次産業から、農業、鉱業という1次産業に完全にシフトしていると言えます。
消費者の代わりに「食事を作る外食産業」、「モノを集めて販売する小売業」、「ヒトの採用・管理を行う人材事業」、「モノを運ぶ運送業」といった代行ビジネスは、原材料価格の高騰、商材の仕入れ難、競合企業との市場寡占化による売上の伸び悩み、など、現在の事業領域だけでは非常に苦戦している企業が非常に多いのが現状です。
一方、現在価格高騰が続く原材料を生産する農業、鉱業については、ここ2年から半年の間に数10パーセントから数倍の値上げを行いながらも販売し続けることができる業態であるといえます。
このような時流の中で、現在、物流関連企業の農業ビジネス参入が目立ってきています。食品関連企業、肥料関連企業を荷主とする物流企業が既存のクライアントからの新規受注が獲得できるこのビジネスは、新規営業力に頼らずとも業績向上、利益向上を実現できる有効な方法であると言えます。
農業ビジネスへの参入において欠かせないのは、野菜の生産(農業)と肥料の生産(食品リサイクル業)を同時に行うことです。
農業生産法人立上げによる農業としての収益軸と、食品リサイクル事業立上げによる中間処理業・廃棄物収集運搬業としての収益軸を持ち双方の事業で収益を上げていく「農業&食品リサイクルビジネス」は物流企業が非常に参入しやすい新規事業です。
原油高の影響による肥料価格高騰で農協から農家に対する肥料供給も間々ならぬ昨今、食品残渣から高品質な有機肥料を生産する肥料メーカーとしてリサイクル施設を持ち、自社生産した肥料を活用した有機栽培を行い、地元の飲食店・スーパー・学校給食へ還元していく、こんな循環型社会作りを目指す次世代ビジネスが、物流企業が業態転換する新事業として関心が高まってきています。
(株式会社船井総合研究所 環境ビジネスコンサルティンググループ 熊本伊織)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年7月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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