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ブログ・船井総研ロジ
第24回:「負」の遺産を「正」に転換
2009年9月22日
雪印の集団食中毒事件が起きた2000年あたりから、飲食業界をはじめとする企業の不祥事が後を経ちません。その背景には、人材流動化・企業取引のグローバル化・消費者意識の向上(プロシューマー化)などがあります。それに伴い、「日本版SOX法」などの企業経営の透明化を促す法規制が整備されています。同時に環境に関わる法規制も整備され、企業の環境対策や環境ビジネスのマーケットが急速に拡大しています。2005年6月のアスベスト被害による死者発覚後の法規制強化による行政・企業の対策の動きなどは皆様の記憶に新しいでしょう。
特に、廃棄物・アスベスト・土壌汚染などの環境に関わる法律の中には毎年改正され、企業経営に大きく影響を与えるものもあり、「知らない」では済まされない状況になっています。それら企業経営にも損出を与える可能性のある事象のことを一般的には「環境リスク」といい、近年その「環境リスク」をどのようにマネジメントするかということも企業経営の課題として取り上げられています。
一方では「廃棄物処理」「アスベスト」「土壌汚染」などの負の遺産に対してコストを掛けることに抵抗のある経営者の方が多いのも現状です。しかし本当にそうでしょうか?
確かに短期的に見たらコストが嵩むかもしれません。しかし、これからの企業経営において「社会性のない」企業が崩壊するのは冒頭の話の通り明らかです。そして最近の「CSR・環境意識の向上」なども含めて考えると、自社で環境リスク対策を追求することでノウハウが蓄積され、そのノウハウがビジネスにつながる可能性も秘めているのです。
アスベストや土壌汚染などの環境リスクについては、2010年その対策費用を資産除去債務として計上されることも決まりました。ぜひこれを機会に「環境リスク=コスト」ではなく「環境リスク=ビジネスチャンス」と前向きと捉えて対策を進めていただければと思います。
(株式会社船井総合研究所 環境ビジネスコンサルティンググループ 黒川 智玄)
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は08年7月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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