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ブログ・花房 陵
物流現場を見る目
2007年6月8日
物流ウィークリー記者、大西さんの紹介でこのブログを始めることになりました。
現場を持って日々奮闘されているみなさんに、一息入れたり、ヘ~ッという話題を提供しながら
我々の仕事を振り返ってもらえれば嬉しいです。
会社がどんどん変わって行く中で、情報技術と物流が一体となり、本当の意味でユビキタス
(どこでも意識しないで自然に、自動になってゆく)となる日まで、細々と続けられれば。
■物流はどんな戦い方をするのか
ビジネスは戦争に例えられます。より強く、より大きく、より早く、よりより~~。ちょっと待って。
確かに営業や生産、経営企画や新技術の情報システムは新しい、強力な切り口を求めています。
片や人事や総務、経理や管理部門はこのようなパワーを支えるために母の役割を担います。
強い父と優しい母、外に打って出るパワーと内に秘めた慎重さ。オトコとオンナ、光と陰、。物流活
動っていうのは、静かな内なる力によって競い、生き残っていくような気がしませんか。
■どんな物流が最高なのか
日々奮闘、毎日新たな問題が生まれてくる物流現場では、座して待つ、机で考えて答えを出す様
な習慣がありません。いつも走りながら考え、その場その場で答えを出し、トライアルアンドエラー
の繰り返しから進化を続けて行こうとします。
昨日と同じ状況は当分起きそうもありません。去年のデータは、ハッキリ言って役に立ちません。
だからといってデータを取るのを止めると、主張や思考に根拠がなくなります。外部に対しての説明
責任や説得の方法がなくなってしまいます。
役立たずのデータであっても事実の記録は大切です。そこで、どんなデータを集めるのか。つまり、
「物流の仕事をどうやって見ているのか」ということから考えて見たいと思います。
いわば、<これから、ありたい我々の姿>というものを考えながら、走り続けなければなりません。
我々の職場は似て非なるモノばかりです。産業や規模が違えば、物流の仕事は全く別物。一つと
して「あ~、ウチと同じですね」などという会話は聞いたことがありません。
ミスがなければ、コストが下がれば、従業員が辞めなければ、社長から評価されれば、業界の話
題になれば、設定した目標が毎年クリアできれば、事故や災害がなければ、在庫紛失がなけれ
ば、もっと広ければ、近ければ、早く帰れれば・・・・・我々の理想は決して高く遠いモノでないはず
なのに、なかなか手が届きません。すぐに手中を離れて行きます。理想の物流、どうやって見れば
いいのでしょう。
最高の物流は共通している要素があるのです。我々は仕事の成果を何に求めるか、どんな結果が
望ましいか、どんな状態が心地よくて嬉しいのか。そんなことを長年考えてきて、いま現在の答えが
【物流現場の12の視点】というものです。
■優れるための12の視点
順序や程度、ランクや密度は別にして12の要素がバランス良くある時に、我々の職場はありたい
姿に近づいています。少しずつ紹介していきます。
1 自律性
物流部門独自の自律性があるか
2 顧客満足志向
他部門や顧客を基準とした、満足志向の取り組みがあるか
3 安全と5S
安全を最優先し、整理整頓清掃清潔しつけの5Sへの徹底があるか
4 見る管理
目で見てわかる管理をあらゆる場面で採用しようとしているか
5 時間軸
スケジュール、優先順位など時間を意識した計画と実績を捉えようとしているか
6 ま・とめ
適切な空間、時間の区切り、束ね方などの、間、止め、まとめが意識して採用されているか
7 在庫
あらゆる在庫を適切に管理して、いっそうの削減施策を実行しているか
8 働く意欲
職場の意欲を高める工夫と実際の作業者に意欲が感じられるか
9 ツールのメンテナンス
利用する施設、設備、道具に保守計画と点検記録が実物に貼付されているか
10 変化対応力
新しい取り組みや季節変動、緊急対応の準備や訓練、取り組みが感じられるか
11 情報の活用
職場で把握できる情報を追究し、活用や転用、情報の発信に意欲的か
12 品質へのこだわり
すべての活動によりよい品質と目標や実績の記録が取られているか
それぞれは、何となくご理解いただけることだと思いますので、詳しく説明して行きましょう。この記事へのコメント
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筆者紹介
花房 陵
イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント
コンサル経験22年、物流から見た営業や生産、経営までをテーマに 28業種200社以上を経験。業種特有の物流技術を応用して、物流 の進化を進めたい。情報化と国際、生産や営業を越えたハイブリッド 物流がこれからのテーマ。ITと物流が一体となる日まで続けます。 -
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