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ブログ・花房 陵
物流現場の初めと終わり
2007年12月25日
●歳末商戦と正月商戦
クリスマス休暇の始まる12月中旬から、お正月のバーゲンまで物流現場は燃えます。
量販店舗は12月31日夜まで営業を行い、翌日元旦の朝から初荷で盛り上がります。
これは消費者の感覚であって、われらは連続した業務に過ぎません。いつから始まり
いつ終わったのか、物流は連続した業務であって、製造メーカーの工場の火が落ちない
限り、休むことがありません。
これっておかしなものですよね、政府の予算があって企業の決算があるのに、倉庫が
止まることはないのです。たな卸しのため、といっても開店休業できるのは小売店だけ
で、物流現場はカウント作業を傍目に見ながら加工作業や検品が続くのは珍しくないの
です。
江戸や明治の時代には小売業の集金は暮れの大つごもりまで続きました。普段の商売
は庶民も大店もみんな掛売り、掛買いばっかりでしたから、小売は商売や在庫に多額の
資金を投入させていたんですね。
暮れの1週間、年初の1週間、相変わらず営業マンがあいさつ回りをしていますが、普段
以上に顧客と話す機会があって不思議だと話していました。
毎月商談をしていても、時間が限られていて、ひょっこり訪問してもアポなしだと面談すら
できない。電話でアポイントをお願いすれば、早くても2週間先の予約で、実際の営業活
動の最重要項目は顧客接触時間の確保、というのが販売会社の悩みです。
●今年が終わり、新年が始まるときに考えること
物流現場は休みなく続き、工場が止まらない限り、物流も止まりません。
営業マンが休んでも顧客が稼動していれば、物流は止まりません。止まらない、というこ
とは、何事も走りながら変えてゆくことが求められています。走りながら考え、そして軌道
を修正してゆかねばなりません。
いつも話題に上がるのが、コストと精度。どんなに工夫しても、それが尽きることなく日々
改善と精度アップのための仕掛けを変えてゆかねばなりません。人が働く現場だから、
人が変わると同じ事故やミスが起きています。
全部自動で機械だらけの現場になるまで、生産性と作業の正確さへのこだわりは失って
はならなのです。
もし、皆さんがお正月にゆっくりと思いをめぐらす事ができるなら、ぜひ考えてみてください。
コストも精度も、何がしかの結果であって、初めではないことを。
目標とするコストや精度があったとしても、人が働き、計画が振れて、思うようにことが運
ぶことはとても少ないですよね。
結果を保証するために必要なこととは何か。
どんな準備をしておけば、万全なのか、安心して毎日を過ごせるのか。
日々の生活なら、いつもどおりの習慣と同じような繰り返しが安心できますね。
こんな感覚を仕事や物流の現場に応用できないでしょうか。毎日が手馴れた習慣作業と
して誰でもがそれぞれに行動している状況を考えてみてください。
もちろん、多少のトラブルや事故、予定外の出来事が起きたとしても、それぞれの担当者と
現場のチームワークで「想定内」と覚悟が出来て仕事が流れていったら。これこそが正解。
●結果を求めるな、初めを大事にしておけ
物流現場の基本は、安全と5S、誰でも安心して仕事が出来る標準化と単純化、そして
見た目で変化が分かる「見える管理」、時間や商品を大切にする在庫節約の姿勢とチーム
ワーク、・・・・・そんなにたくさんの要素があるわけではないけれど、一つ一つがとても大切。
このブログをはじめるときに、12の物流視点について長々と説明をしてきました。
私は、結果を保証するためにはプロセスやスタートの位置づけが大事だと思います。
暮れや新年にもう一度、優れた物流現場の12の視点を振り返っていただきたいと思います。
今年も終わります。新年が始まります。
今までありがとうございました、そして今年もどうぞよろしくお願いします。この記事へのコメント
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筆者紹介
花房 陵
イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント
コンサル経験22年、物流から見た営業や生産、経営までをテーマに 28業種200社以上を経験。業種特有の物流技術を応用して、物流 の進化を進めたい。情報化と国際、生産や営業を越えたハイブリッド 物流がこれからのテーマ。ITと物流が一体となる日まで続けます。 -
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