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ブログ・花房 陵
業務マニュアルの作り方
2008年6月25日
■会社にとって大切なことは、規模を拡大する事でしょう。売上や利益を成長させるには、スーパーヒーローをたった一人育てることでなく、多くの仲間のレベルを上げることです。だから、「標準化」と「単純化」がいつも問われて、運営の課題になっています。その秘訣は。
●業務マニュアルを作るには
仲間や新人に早く仕事になれてもらうためにマニュアルを作っていることでしょうだから、基本は「今現在、やっている手順と作業」というのがマニュアルの素材になりますが、本当は<ありのまま>ではなく、<あるべき状態>なんですね。
仕事は改善の積み上げで成り立ちます。昨日までの仕事の仕方は、今日から変わっていることもありますが、「それでいいのだろうか?」と立ち止まることが大切です。簡単にはしょったり、省略することが実はいけないことだってありますからね
素材集めと同時に<あるべき状態><こうでなければいけない状態>というのを見直しておく必要があります。何も物流作業に限るものではありませんが、マニュアル=<定められた手順>があっても、間違えが減らなかったり、むしろ大事故を起こしてしまうなら、手順に事故を防止できない欠陥があると見なさなくてはなりません。
ただの説明や引継ぎ資料のためのマニュアルなら、実務の担当者は既になにがしかの資料を作っているに違いありません。机の上のメモであったり、手帳の記録や箇条書きがあるはずです。
先輩から口頭で説明された時のメモはマニュアルではありません。
仕事に利用する伝票や帳票、システム機器の操作など、マニュアルは作業ではあるけれども、実は紙や機械の処理になっていることが多いのです。すると、そこには<あるべき状態>がどうしてももれてしまいます。
●あるべき状態とは、どんなこと?
今とこれから、今までと今、本来の約束と現実、・・・いろいろな考えが巡りますが、マニュアルとは正しい目的と手段や手順を整理することですよね。物流作業であれば、間違えがなく素速く、誰でも同じような結果を生めるように考えて作るモノですね。
さて、その時に整理しておかなければならない点は
1 マニュアルの目的は
2 どの範囲にするか(工程や作業をどのように分割するか)
3 仕事の始まりと終わりはどうなるか
4 作業指示と終了の権限はどうなっているか(誰の指示、誰への報告)
5 どんな伝票、帳票を使うのか
6 どんな道具、機器、システムを利用するのか
7 利用した伝票、帳票の保管方法は
8 毎日、毎月の仕事のまとめはどうやって報告するか
9 関係する部門、部署、影響する組織との関係をどうやって表現するか
10 出来上がったマニュアルを承認する人は誰か
この辺、改めて整理するとかなりヘビーな作業になることに気づきます。
単に現場の担当者が作り始めると、「現状をトレースするだけ」になっていまい、マニュアルを作ることはただの記録や編集になって、ならば作った人だけが分かる自己満足になってしまいます。
あるべき姿=現在の不都合の解消、という短絡ではないはずですから、そもそも精度とは、品質とは、保証とは、効率とは・・・という議論を持ちたいものです。
特に物流マニュアルは営業部、製造部、購買、経理、情報システム、総務など多くの部門や担当者との情報交換が起きています。単に指示書を受け取って、ピックと梱包、送り状の発行、輸送業者さんへの荷渡し、というだけではないのです。
特に、整理した点での3,7,8,10 については、これをきちんとできると言うことが企業の内部統制につながりますので、面倒でも正確さを求めたいです。
●作業マニュアルとIT、システムとの関係
今時はすべての作業にITが関係しています。むしろ人の判断や手作業だけで完結するような手順はないはずです。そこで、作業マニュアルはシステム担当の人が割と書くのが得意であることが多いのですが、実はこの人達の作成するマニュアルでは、3.7.8.10が漏れることがあります。
社内ルール、人の情報判断、作業の手順、ITの利用方法までをもうらしたマニュアルを作るには、もしかすると専門家が必要になるのでは・・・・。
産能大定規や業務フロー専用のソフトVISIO などもありますが、それは現在の作業をきれいに清書するだけだし、保管や改訂管理がしやすくなるだけですね。
IT画面の操作や印刷機のメンテナンスを整理しても、それが本当にあるべき姿に近づいてきているかどうか、そこの所の判断が大切なんですこの記事へのコメント
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筆者紹介
花房 陵
イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント
コンサル経験22年、物流から見た営業や生産、経営までをテーマに 28業種200社以上を経験。業種特有の物流技術を応用して、物流 の進化を進めたい。情報化と国際、生産や営業を越えたハイブリッド 物流がこれからのテーマ。ITと物流が一体となる日まで続けます。 -
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