前号で紹介した、タカラ物流システム／長崎運送の社長、大谷將夫
氏の著書、「儲かる会社に変える～貧乏人の発想　金持ちの行動」は、
物流企業関係者には、ぜひ読んでいただきたい本です。
大谷社長は、タカラ物流システムグループを９年連続で増益に導き、
10年間赤字だった長崎運送を８ヶ月で黒字化した、辣腕経営者です。
本書では、その奇跡と経営思想をたっぷり語っており、とても読み
応えのある内容です。
大谷社長のすごさは、前号でも採り上げましたが、言行一致度合いの
高さだと思います。
例えば、「売上げではなく、利益を重視せよ」とは、多くの経営
トップが社内に示す方針です。
しかし、問題は、社員の行動まで落とし込む施策があるかです。
タカラ物流システムグループでは、仕事が獲れた時は、まず利益から
報告することが徹底されているとのことです。
つまり、報告者の第一声は、「社長、○○円の売上げが上がりました」
ではなく、「社長、△△円儲かります」と利益に言及するのです。
そうでなければ、叱られます。
「正論を行動に落とし込む」という最も大切なことに、非常に長けた
経営トップの理念とノウハウの書です。