1804年（文化元年）創業のミツカンのヒット商品は、企業イメージに
なっている、酢関連の商品だけではありません。
鍋用調味料やつゆ、たれ、中華料理の素、ふりかけなど、他の
カテゴリーでもベストセラー商品を有する、ヒットメーカーです。
最近では、新たに納豆のマーケットに参入し、後発ながら「金のつぶ
シリーズ」という人気ブランドを創り上げました。
ミツカンは老舗ですが、新たな挑戦を続ける、革新的企業なのです。
去る８月５日（水）に視察に訪れた際には、同社の広報部門の方から、
その革新のＤＮＡの原点と思われる、創業時のお話をうかがうことが
できました。
ミツカンは、酒粕酢醸造に成功した初代中野又左衛門氏が分家独立
したところから始まります。
当時、造り酒屋が酢を造ることは、タブーとされていたそうです。
なぜなら、酢酸が入ってしまうと、酒は酸っぱくなり、売り物に
ならなくなるからです。
しかし、他の造り酒屋との差別化のために、あえて酢醸造に挑戦した
のです。
同社は、そういう創業の精神を、上手に受け継いでいます。
博物館「酢の里」の運営やホームページから、会社の歴史を大事にし、
次世代へしっかり語り継ごうとしていることがうかがえます。
そういった努力が、革新のＤＮＡを生かしているのだと思います。